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日記 2024.5.15(水) 変化し続ける家族のかたち。

6時半にむくりと起き上がる。毎晩一緒に寝ているお母さんはひと足先に起きる。どうやらお母さんのベストな睡眠時間はわたしよりも1時間早い7時間の様子。
朝の空気が気持ちよく目覚めもよい。洗濯機の回る音、お父さんの部屋からは小さくテレビの音がしている。台所でゴミをまとめて処理するお母さん。今日もいい朝。

昨日の夜はちょっと食べ過ぎたので今朝は寝かせ玄米とお味噌汁と納豆のシンプルな朝ごはんにする。お母さんは外でたけのこのアク抜き作業のための準備をしている。先に食べてくださいとのことでお父さんとわたしは二人で朝ごはんを食べた。

お母さんが台所に戻り朝ドラを観ながらご飯を食べる。わたしは洗濯物を干すために外に出る。今日も暑くなりそうな空気だけれど足は冷やさないようにと靴下を履きに家の中に一度戻った。気持ちがいい空だ。都会のベランダから見える世界とは違い、田舎の庭に洗濯物を干す時間はすてきな時間に感じる。

着替えてお化粧をしつつお風呂掃除をしておく。お風呂掃除はなるべく午前中など早いうちにやっておいて、夕方はもうお湯をためるだけにしておくのが好きだ。窓を全開に開けてお風呂場にも気持ちのよい空気を送り込む。窓のあるお風呂はやっぱり最高だなぁ。

家事もひと段落したのて外のばんこに座って過ごしてみる。静かに外を眺めたり日記を書いたりしていると本日ものっそりとまだら猫がやってきた。どさっと草むらに飛びかかり獲物を捕まえ食べている。わたしの見た限りでは今のところ百発百中で獲物をとらえている。口を鳴らしてわたしの存在を知らせると、こちらをじっと見つめてからそそくさと去って行った。今日はまだら猫を動画におさめることができたので、弟に送っておいた。

お腹がぐるぐるなってきて時計を見るといつのまにか12時を回っている。お昼ご飯を作ることにしよう。お母さんは近所へ出かけていて30分くらいは帰ってこないだろう。
新玉ねぎを炒めてめんつゆと水を加えて煮ていく。その間に乾物コーナーを物色してお麩を見つけたのでお肉の代わりにお麩を切って入れていく。チンゲンサイの間引き菜ももう少しあるので入れて最後に卵でとじる。お母さんの好きな卵とじの完成。お麩がなんだか鶏肉に見えてきた。トマトをカットして鞍掛豆のペーストもお皿に出してお昼ごはん。お母さんも帰ってきたので一緒に食べる。卵とじは寝かせ玄米にのっけて海苔を散らしてどんぶり風にしてみた。お麩が出汁をよく吸っていて美味しかった。2年前の今ごろお母さんと出かけた奈良で買った、とっくに賞味期限の切れたお麩だった。
フムスをどうしてもパンにつけて食べてみたかったお母さんは、冷凍してあった蒸しパンを焼いてくれた。しっかりとした味付けの蒸しパンとフムスはあんまりマッチしていなかったけれど、パンにつけて食べるイメージは出来たようでお母さんは満足そうだった。

お昼を食べている間に外はうっすら曇ってきた。日差しがないから畑に出られる。さつまいもはまだ植えられないらしいから、野菜たちに水をあげておく。すぐに終わった。もう少し何かしたくて周りの草を抜いていく。カラスノエンドウをひっぱり抜いていくとどんどん平な面が出てくる。草むしりが楽しくて本当にやめられなくなる。2時間ほどでどっさり雑草の山ができた。途中草の間からきらりと光るものを発見する。洗って太陽にかざしてみるときらりとひかり向こうが透けてみえる。これは水晶だろうか。

今日は畑に出ている間にあっという間に夕方になってしまった。わたしは夕飯の準備をしてお母さんに買い物を頼む。昨日から今夜は餃子にしようと決まっていたので準備する。肉なしとあり2種類を作ってみる。冷凍庫にあったミンチは合い挽き肉だったので合い挽き肉の餃子ともうひとつはわたしの好きなお豆腐の餃子にする。水切りしておいたお豆腐をそぼろ状に炒め、飴色に炒めた玉ねぎを混ぜる。ザワークラウト、畑にひっそり生えているニラは肉あり、なし両方に加えて混ぜる。
餡がたくさんあるから多めに餃子の皮を買ってきてねとお母さんに伝える。

夕方はお風呂と夕飯とでけっこうバタバタする。効率よく進めていこう。お父さんに時間があったらお風呂を沸かしてもらえる?と聞いてみる。この「もし時間があったら」という言葉はお父さんにはよく聞く魔法の言い回しなので、今日も機嫌良くすぐにお風呂を沸かしてくれた。餃子の皮を待っている間に夕飯準備をある程度整えて、わたしはお風呂に入った。わかめスープもできたし水菜の菜の花サラダも作ったからあとは肝心の餃子を包んで焼いたら夕飯の支度は完成する。

お風呂から出るとちょうどお母さんが帰ってきた。お母さんには続けてお風呂に入ってもらってお父さんとわたしで餃子を包もうかと提案すると、お風呂はご飯を食べてからにすると言う。そうだよな、お母さんが楽しそうな行事を見逃すはずがなかった。
三者三様、餃子を思い思いに包んでいく。ノンアルコールビールをひとり一本ずつ飲みながら楽しい餃子パーティーの始まりだ。お父さんには昨日から餃子を包むのを手伝ってねと言っておいた。初めて餃子を包むというお父さんに、1枚だけ包み方を教えてみる。負けず嫌いで覚えの早いお父さんはそのあとはもう独自の方法で黙々と作業を進めていく。こういう作業は元々お父さんに向いているのだ。これからちょっとずつ料理に参加してもらおうと思った。
一方のお母さんは、餃子を数枚包んでから焼きの準備に取りかかっている。そういえばわたしは餃子をうまく焼けたことがないのだった。焼きへの緊張感が高まる。
60個の餃子をすべて包み終わり、ぴったり餡がなくなった。さあ焼いていこう。最初はお母さんのやり方で焼く。うまく焼きたいからネットで焼き方を見ながらやってみるけれどなかなかうまく焼けない。2回目は鉄のフライパンで焼いてみるものの皮が貼りついてしまった。お父さんがどうしたどうしたと近づいてきて参加し始めた。お好み焼き用のヘラを出してきてフライパンに貼りついた餃子を斜めに切るようにはがしていく。どこでそんなことを覚えたのだろう、見事なヘラさばきのおかげで貼りつき被害は最小限におさまった。
不恰好な餃子がたっぷり焼き上がった。しかし、自分たちで楽しく包んで焼いた餃子はなによりもご馳走だ。酢醤油、酢コショウと2種類のタレにつけて食べてみる。60個だからひとり20個ずつ食べられるね、どうやったら餃子をうまく焼けるかなと意見を出し合ったりして楽しく餃子パーティーは続く。

手を合わせてあー美味しかったとお父さん。こんなことを言うのはほんとう珍しい。自分で料理を作って食べる楽しみを今日は少し体感出来たのだろう。どんな人でも料理は楽しいものにできる。レシピや手順なんて難しく考えないで、まずは自分で楽しく作るということに集中してみると新しい道が開けてくるかもしれない。

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