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日記 2023.10.29(日)

筋肉の疲労を感じながら起きる朝。久しぶりの感覚で面白い。今日は満月だからだろうか、穏やかというよりは少しあおられているような気持ちで洗濯、朝ごはんを終えて、気づいたらお昼ご飯の準備をしていた。お昼を食べたのもいつもより早い時間だった。

今日もお昼ご飯は豆腐が主食代わり。生姜を刻んでのっけてポン酢で食べた。おかずは納豆ともやしと玉ねぎでナムル風炒めにしてみた。食感シャキシャキっとよい雰囲気なのだが味が定まらず、薄い。お昼ご飯のおかずとしてとても良いと思うので、味付けの改良を重ねて定番にしてみたい。最近お気に入りの白菜サラダも。ドレッシングは無くなりそうだったごま油を使い切って作った。おっきなボトルで買ってしまっていたごま油がなくなった。使ってみたかったごま油がようやく買えるのでうれしい。
お昼ご飯の洗い物もいつもはちょっとめんどくさいので休憩してからするのだが食べたら即ごちそうさまをしてお皿を洗っていた。特に急ぐことはないのになんだかそわそわしていた。
雨雲レーダーをみると1時間後に一時雨とある。たっぷり干した洗濯物をギリギリまで外に干しておきたかったので雨が降り終わってから出かけようとお母さんに電話をかけた。ここのところ出かける用事が多かったようで、やっとこれから畑仕事ができるとちょうど畑へ向かうとこだったらしい。いつものように特に話はないのだけれど、最近おっきな鯖を買って朝焼いて食べたら美味しかっただとか、近所でマルシェがあるから行こうとしているとか、ボランティアの仕事のバザーで餅を売ったら売れ残ったとか、いつものようにお母さんの最近の出来事の話を聞きながら、私は出かける準備をした。もう一度雨雲レーダーをみると雨は降らないことになっていて、洗濯物を干したまま、お母さんと電話をしながら家を出た。家から離れたところにある郵便局へ発送に向かう。今日は歩いて行くことにした。歩きながら途中までしゃべっていたら、お父さんがごそごそと動き出したからということで電話を切った。いつもしゃべることがありすぎる母がおもしろい。

郵便局で発送を終えるとなんだか電池切れ状態になってしまった。午前中とばしすぎたようだ。このあとは吉祥寺まで行こうかと思っていたのだが予定を変更して、郵便局の近くの川沿いへ向かった。川沿いのベンチに座ってわたしは枝を取り出した。

昨日、山で拾った木の枝。明日行くメイキングオブハリーポッター、瑛子が杖を忘れないようにしなきゃと言っていたのがうらやましかったのだった。本家の杖はなんだかわたしにはしっくりこなかったのと、作ってみたい気持ちと話題に少しはなるかなという気持ちがあった。杖に良さそうな枝を拾うというミッションは、昨日のハイキングのひとつの目的でもあったのだ。

ハイキングコースの後半、伐採された木の枝の中からきらりと光る枝を見つけた。序盤にいくつか枝を見つけていたのだがいまいちしっくりきていなかった。持っていたアーミーナイフである程度形を整えてみた。歩きながら削ったり折ったりしているとなんだかすごくいい枝だと思えてきた。少し切れ目を入れるときれいに樹皮がはがれて美しい木の肌が見えた。それまで持っていた枝は山に返してその枝を一本持って帰った。

ベンチに座り、ペンチでわき芽のでっぱりを落とし、尖った表面をナイフと粗めのやすりで整えた。それから細い目のやすりを3種類使ってひっかかりのないつるっとした表面に仕上げた。マラソンをしたり、犬の散歩をする人、風もどんどん強くなってきて日も少しずつ暮れて寒くなっていたが夢中になっていたので気にならない。一番細かいやすりをかけるとほんとうに滑らかな手触りになってうっとりするような杖が出来上がっていた。

なんの枝なのだろう。

にぎり心地もよく、持ち手のあたりにわき芽があった出っ張りがあるので振り回してもすっと抜けて飛んでいかなそう。なんだかすごく嬉しくなってきて、明日がどんどん楽しみになってきた。まいちゃんに見せたらすごくいいと言ってくれた。買わずに作る、この手法はお父さんから学んだ。お父さんは大体のものは自分で、あるもののなかから作ったり直したりする。買わない。お金をかけずに作ることにかなりこだわりを持っている。流石にやりすぎではと思うこともあるけれど、作ること、考えること、工夫すること、それが楽しいのだと今なら分かる。

家に帰ってきてからココナッツオイルを枝に塗り込み、杖は完成した。お腹が空いた。
夕飯はアジの干物と白菜とお揚げ、わかめのお味噌汁。外で作業していたらすっかりカラダが冷えてしまっていた。帰り道の北風も寒かったな。追加の白菜も買ってきたので家にあった白菜をもりもりっと味噌汁に入れた。麦味噌を溶いて温かいうちにすすすっと。あぁ、美味しい。思わず声が出た。白菜のお味噌汁ってどうしてこんなに美味しいのだろう。お味噌が染み込んだ白菜をはふはふ食べながら考えていた。
アジの干物も相変わらず美味しいぞ。今日は少し焼きすぎで表面がパリパリになった。でもそのおかげで太い骨以外は食べられるくらいになっていて香ばしくて最高に美味しかった。ご飯がすすむ。作って食べている間に冷えたカラダはすっかり溶けて温まっていた。銭湯に行くようになってからだろうか。ご飯を食べて温まる感覚がはっきりと分かるようになった。

珍しく明日着ていく服も決めて押入れから出しておいた。バッグも決めて荷物を入れて。最後に、作ったばかりのつやつやの杖をすとんと入れた。

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