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日記 2024.1.5(金) マイナス3度の朝/スイスイ作業デイ/退院への複雑な気持ち

冷たい朝。お母さんによると気温はマイナス3度とのこと。氷の中にいるような空気が寝床に漂う。エアコンをつけて解かしてから起き上がるしかないようだ。寒い日は、朝起きると掛け布団を頭までかぶっている。眠りながら少しでも冷気から逃れようとしているのだろう。じいちゃんがニット帽をかぶって頭の周りに布団を巻いて寝ていたのを思い出した。

気合いで起き上がり台所のストーブをつける。ファンヒーターのほうは灯油がなくなっていたので倉庫へ入れにいく。前回灯油を入れたのが1日の昼だったので大体3日くらい持つのだなと分かる。わたしが灯油を入れるとどこまで入れていいか分からずによくこぼしていたけれど、いまはホースが優秀で満タンになると自動的に止まる仕組みになっている。灯油を入れている間に外でストレッチができた。

それにしても寒い朝。ストーブの前からなかなか動けない。その間にお母さんは着替えて朝ごはんの段取りをして、仏壇にお参りに行った。わたしもそろそろ着替えるか。今日はストーブの前に服を持ってきて着替えよう。

朝ごはんは昨日に引き続きはまぐりのお雑煮。いくらももうあと1回分かな。わたしはお餅は1個、お母さんは2つ食べる。

洗濯物を干すついでに縁側にしいたけを干す。昨日お母さんが見に行ったら原木しいたけもたくさん育っていたそうだ。午前中からお昼にかけては縁側が暖かい。作業をするにも良さそうだ。台所の陽射しの入る位置に昨晩洗ったニットを干す。近ごろは太陽の熱、ストーブの熱を利用するのが気持ちがいい。

今日は乾燥麹を使って甘酒と納豆麹を作る。心地よく広々とした台所では次々にアイデアが浮かんでくる。麹を計り分けて炊飯器に麹を入れる。沸騰したお湯と冷水を同量用意して炊飯器に投入。保温ボタンを押して上にタオルをかけて6時間待つと甘酒ができるらしい。このレシピでうまくいけば温度も計る必要がなくてすごく簡単だ。
続けて納豆麹なるものも作ってみる。実家に帰る前にやってみたいことをいくつかピックアップしていたがこれもそのひとつだった。乾燥麹に納豆3パック、昆布、白ごまに醤油、酒、みりんを合わせて火にかけて沸騰させたものを冷まして入れる。まぜまぜして2日くらいで食べられるらしい。ねばねばが面白くて絶対美味しそうな香りがする。

窓側が暖かいので台所の窓側のテーブルの一角にお母ちゃんのお勉強コーナーを用意してみた。紅茶を淹れてコースターにのせてセットしてみるとなんだかカフェのよう。お母さんもどこかへ行ったみたいと嬉しそうだ。わたしは台所に立って自分のやってみたいことをして、お母さんはお母さんの用事をする。日常のこんな時間が何よりも嬉しい。この日常を守りたいのだと強く思った。
いつもの日常を一緒に過ごせるということのしあわせをしみじみ感じていた。

今日はなんだかやってみたいことがスイスイできる日だ。シアバターのバームがなくなりそうだったので新たに作る。
ストーブの上でシアバターを8割くらい湯煎で溶かし、冷ましながらミニマドラーでホイップ状になるまでまぜまぜする。冷たい洗面台ではバーム状のものはカチコチで使いにくいのでクリーム状にしたい。ベルガモットオレンジの精油を少し加えて固まるまで待つ。早速今夜使ってみよう。

お昼ご飯用にご飯を炊きながら、小豆を入れた玄米が食べてみたいよねとお母さんに話すとお母さんも興味があったようで珍しくすぐに玄米を取りに行ってくれた。ついでにぬかも頼んで取ってきてもらう。ぬかで洗顔、パックを作ってみたい。

そうそう、梅干しがなくなったので出してもらうついでに6月の梅仕事の時期に仕込んだ梅干しや梅シロップを出してきて食べてみた。食塩ゼロの無塩の梅干しは梅の酢漬けのような雰囲気で梅の果肉はとても柔らかくなっておやつに良さそう。梅シロップは水で割って飲んでみたけれど甘酸っぱくてすごく美味しかった。うまくいったか気になっていたのでそれぞれ美味しくできていてほっとした。梅仕事からわたしの手作りの旅は始まったのだな。

お正月料理の雰囲気がまだ続いていてなかなかお腹が減らない。お昼ご飯はおにぎりとお漬け物をいくつか出して軽めに食べる。

洗濯物を取り込んだらもう夕方の気配。お父さんの病院に書類を出すために夕方出かける。その後お母さんがお父さんのところに寄る。先生にはもう退院してもいいと言われているものの、早く帰りたい気持ちとまだ痛みがあるので不安で帰りますと決められない気持ちがお父さんの中で葛藤しているらしかった。限られた面会時間の中でお母さんに不安な気持ちとしゃべりたいことをばーっとしゃべったらしい。
わたしは早く帰ってきてと思うけれど、最終的にはお父さんが納得して自分で決めてほしい。
退院するということも嬉しいだけじゃないのだなと思った。

家に帰り夕飯の支度をしながらお風呂の準備。今日は米ぬかをガーゼに包んでお風呂に入れてみることにした。お湯に浸けてしぼると白っぽい汁が出てくる。少しぬるっとしたお湯になり気持ちがいい。顔と髪の毛も少し浸してみたら髪の毛はサラサラになった気がした。お母さんと夕飯を食べながらお肌はどうかな、ちょっと毛穴が目立たなくなってない、なんて話す。
こんな普通のなんでもないやり取りを、早くお父さんも交えてしたいと思う。



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