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日記 2024.1.21(日) なかなかやまない雨/散歩の日曜日/ショートケーキ/初めてのカウリスマキ体験

今朝も雨。お昼過ぎにはやむようだけどどうだろう。起き上がり今日は豆餅をひとつとコーヒーにする。豆餅の朝ごはんがすごくしあわせだ。

今日はちゃんと休もう。何にも考えずに休みにしよう。元住人に干し芋をお裾分けする約束になっていたので連絡する。夕方から出かけるのでそれまでは時間があるということなのでお昼ご飯を一緒に食べることにした。
のんびり準備して彼の家へ向かう。到着したら歯を磨いているところだった。いつも通りのマイペースさ。玄関でしばらく準備を待つ。玄関から一直線に見える台所は整えられていた。玄関に飾られたわたしの作ったリース。その下に笑門の札が飾ってあった。わたしのしめ飾りのために笑門の文字を書いてくれたあと、自分用にも書いたらしい。キリッとキレのある文字が彼の字の特徴だ。

焼肉ランチにする。焼肉は久しぶりですごく嬉しい。彼とじゃなければ絶対行かないひとりでも気軽に焼肉が食べられる場所だった。頼み方もよく分からず彼と同じものを頼む。ご飯ももりもり、キムチやわかめスープもついてボリューム満点大満足だった。

お昼過ぎにはやむと思われた雨はお昼ご飯を食べ終わってもまだやんでいなかった。彼の夕方の用事は気が乗らないし雨だしでなぜかキャンセルになり、特にすることもないので散歩がてらひと駅歩いて大きな100円ショップへ行く彼について行くことにした。近くのケーキも美味しい喫茶店にも行けるかもしれないしね。
とにかくおしゃべりなわたしたちは歩きながらしゃべりっぱなしだった。大通りを横切り車がバンバン通る場所でもおかまないなしに大声でおしゃべりを続ける。よくまあこんなにしゃべれるもんだと自分でも感心する。付き合いも長いので説明要らずでどんどんと話は進んでいく。

わたしは買い物リストにないものは基本的には見ない。一方で彼はお店の中は行けば必ず一周ぐるっと見たいタイプ。今のところわたしは100円ショップで買いたいものは特にないので彼について回るだけだった。3階建の100円ショップは日曜日でたくさんの人で商品も多くにおいが強い。途中から頭痛がしてきた。休憩したい喫茶店もいい時間で満席。もう1ヶ所のすてきなカフェももちろん待っている人がいた。
まあいいかと気を取り直し、大好きな自然食品の店の自家製のぬか漬けを買ってコンビニのカフェラテを持って適度な広さの公園の、乾きはじめたベンチに座って休んだ。そういえば雨はいつの間にかやんでいた。
もう暗くなりはじめたその公園はビルの間にあって、芝生を囲むようにぐるっとスタバやコンビニやカフェが広がる都会的な公園になっている。よく彼の相棒だったうさぎを連れてきていた。

非常に風が強くカフェラテの入っていたカップが何度も飛ばされる。休憩できたのでまた歩き出すことにした。観ているYouTubeの話、ほしいものの話、夕ご飯はどうするという話になってスーパーに寄る。普段行かないスーパーをぐるり見て回り、焼き魚と刺身豚汁が食べたいということになった。刺身の鮮度が気になり別なスーパーへ移動する。
途中でショートケーキの美味しいお菓子屋さんの前を通り、さっき食べのがしたケーキを思い出す。クリスマスケーキも食べなかったしショートケーキを2つ買った。小さな小さな箱に入れられたケーキが可愛い。大事に手の平にのせてスーパーへ行く。お刺身、サバの切り身、豚汁用に豚肉を少しとこんにゃく、えのきなどを買った。

今日は彼の家で夕飯を食べることにする。ひとの家に行ってくつろいだりすることができないわたしは、遊びに行くと料理をしたりなにか作業をしている方が落ち着く。座ってしばらく休憩したそうな彼を尻目にわたしは台所に立ってお米を洗う。土鍋で炊くから3合炊いて残りは冷凍しておけばいい。
豚汁の具材も切っていく。残ったえのきは半分残してラップに包む。こんにゃくは使わないからとわたしが半分持って帰ることにする。豆腐と生姜、味噌などは彼のものを使わせてもらった。彼が生姜を買っているのに驚きながらたっぷり入れて、豚汁も作っていく。サバも魚焼きグリルにセット。
お米は少しだけ浸水してすぐに炊いていく。お腹が空いてきたわたしとまだ空かない彼。わたしのお腹の具合に合わせて料理はどんどん進んでいく。
最後はコンロ2つと魚焼きグリルがフル稼働して一気に料理は完成した。器が少ないのでわたしは丼にご飯を入れてその上にサバをのっける。お刺身は買ってきた器のままでいいか。納豆もひとパックを半分こする。最高のご馳走にとっても満足だ。誰かと食べる晩ご飯もうれしい。
食後に楽しみにしていたショートケーキを食べる。ここのショートケーキはスポンジがぎゅっと詰まっているのにふんわりとして美味しい。久しぶりに食べられて嬉しい。

お歳暮のハムのお裾分けを盾にしてプライムビデオで映画を観せてもらう交渉をしていた。映画が苦手な彼はイヤホンつけてひとりで観たらと言うので、最初だけ観て面白くなかったら観るのをやめたらいいんじゃないと提案してみた。
アキ・カウリスマキ監督の浮き雲を再生する。小さな携帯の画面を2人で観る。この映画、パンフレットを買ったもののわたしは多分観ていなかった。不況の中、ほぼ同時期に仕事を失いその後もなかなか職探しがうまくいかない夫婦。不自然なまでに感情を抜き取られた表情やしぐさにじわじわくるものがある。哀しみが異常におかしい。面白いというより可笑しい。
説明もほとんどない、セリフも少ない、演技に感情がほとんどみえない世界に最初は戸惑っていた彼も少しわたしの説明を加えながら観ていくうちに引き込まれていっているのが分かった。1時間36分で終わるのも良かったのかもしれない。

終わったあとからじわりじわりと染み出すように広がるあたたかさやさびしさがやみつきになる。他の映画はどんなものがあるのかと食いつく彼に、過去のない男のストーリーを教えてみる。なんとなく、好きそうな気がした。
こちらもプライムビデオで観られることが分かると続けて再生ボタンを押す彼。わたしも嬉しくなって補足説明をしながらそのまま2本目を一緒に観ていく。アキ監督の世界に慣れてきた彼はツッコミを入れながら楽しんでいる様子だった。ほかの作品も追って観たくなったと言っていた。また一緒に観ようと約束する。

好きなものをだれかと共有できた嬉しさと、アキ監督の可笑しな物語をまた体感できた嬉しさと、なんとも言えない妙なハッピーな気持ちのまま静かな深夜の道を帰った。

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