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日記 2024.5.24(金) いつからでもつくっていける。

今朝はいろいろとやることがある。
朝ごはんは早く起きた人が準備するという流れができてきた。お父さんもわたしも今日はのんびりで、お母さんは早起きだったので朝ごはんの準備を進めてくれている。わたしも7時には起き上がって顔を洗ってから朝ごはんの準備を手伝う。

いつもひとりで過ごす日の午前中はのんびりとしながら進んでいくけれど、実家では午前中からてきぱきと動いていく。朝ごはんもしっかり食べて、コーヒーでひと息入れたらもう動き出していく生活。出勤先が庭や家の中だと安心感がすごくてどんどんと動いていくことができる。やる気などいらない。

今日は畑でいろいろやることがある。リハビリがお休みのお父さんへの頼み事も集中している。朝からお父さんは野菜たちに水やりをしてくれた。ありがとうを忘れずに言う。

お母さんは毎週金曜日の地域のサロンの前に、昨日頂いたたけのこの下処理のための準備をしてくれた。坂口さんの歌をiPhoneから流す。特徴のある声だねとお母さん。久しぶりに歌う朝。鳥たちにはかなわないわたしの歌声だけれど、体があたたかくなってくる。

たっぷりあるたけのこを、家の中のコンロと、外の羽釜で茹でていく。茹でている間の時間をうまく利用したいので、洗濯物を干したりお母さんの冬物をつけ置き洗いしたり、ちょっとしたことを済ませていく。
外の羽釜にお父さんが火をつけてくれた。今日のお父さんの予定はおばあちゃんが使っていた車椅子の掃除、たけのこを茹でる、畑を2ケ所耕して畝を作る、枯れたピラカンサスをチェーンソーで切り落とす、先日切った桃の木の枝を細かく切る、切れなくなった皮剥き機の調整、剪定バサミを研ぐなど。なかなかの過密スケジュールだ。
体のしびれなどある中でもお父さんはどんどんと仕事をこなしていく。切った木を運んだり、車椅子を洗ったり、わたしもできることを手伝っていく。

他のことをしながらたけのこを茹でていると、羽釜の火が何度も消えそうになる。再び活気を取り戻させようとわたしもやってみるけれど、大きな薪に火をうつすのは難しい。
時々お父さんはぽんっとコツを教えてくれる。わたしはなんでも自分でやってみないと理解ができないし覚えられないから、その言葉を頼りに手さぐりで火を起こしてみる。だんだん大きな薪をくべて火をうつしていくと、長持ちするということが分かってきた。

今日は午前中から暑くて半袖がちょうどいい。お昼前最後の仕事、古い車椅子を洗う。ばあちゃんが施設で使っていた車椅子。買った時のことを思い出しながらお父さんが話を聞かせてくれる。ほとんど使っていないのか、傷もなかった。ブラシを使って丁寧に洗っていく。なぜかお父さんが自分みたいな人と結婚するなよと言ってきた。どっちかっていうとわたしがお父さんにそっくりなので自分とそっくりな人を選びそうにはないと思うが。深くは聞かなかったけど、あれは一体どういう意味だったのだろう。

お母さんが帰ってきたのでお昼にする。今日は暑いのでそうめんにしよう。茹でたてのたけのこも塩こしょうとオリーブオイル、チーズをかけて焼いてみた。たけのこのステーキ。カマンベールとかナチュラルチーズで作るとさらに美味しいのだけれどもちろんそんなものはうちにはなく、とろけるチーズを使った。それでも十分美味しくできた。もしかすると今年初そうめんかもしれない。すごく美味しくてあっという間に売り切れた。

太陽が一番高い場所にある時間は休むチャンスだけれど、家の中にも仕事はたっぷりある。洗濯物はあっという間に乾いてしまったので畳んで、シャツにはアイロンをかけておく。お父さんがお母さんから買ってもらったというかわいい被りのシャツが衣替えとともに発見された。シワが目立つのでなかなか出番がないとお父さんは言う。お母さんはこのシャツをお父さんが着たところを見たことがないと言っていたよと伝えてみると、それじゃあさっそく着てみようということになった。すぐに着たらわざとらしいよねというので、そんなことはないんじゃないと言ってみる。わざとらしいくらいこのシャツを着て褒めてあげればいいと思った。わたしは時々、お父さんとお母さんのひとり言を拾い上げて伝える活動をしている。

夕方日が傾いたのでまた畑へ出る。お父さんはやらなきゃいけないことをちょっとでも減らしたいと思っているのでわずかな休憩でまた動き出す。休憩時間に何やら懸賞応募のハガキを書いて見せてきた。クイズの答えとキーワードに関するエピソードを添えて応募する形式のものらしかった。テーマは「好きな食べ物」だったかな。オチのない文章だったので最後にひと言おもしろい言葉を添えたいねと二人で考えてみる。さらばさんのコントの面白い設定を思い出したので話してみたらそれいいねと言って笑っていた。お父さんは絶対さらば青春の光のコントが好きだと思ってみせてみるとやっぱり好みだったようだ。お父さんの小ネタ帳に「さらば青春の光」とメモしていた。

フェンスで囲いがしてある2ヶ所の畑を耕し畝を作る作業を手押しの機械を使ってやっていく。お父さんは機械大好きなので、燃料がなくなるとご飯が欲しいと言っていると言ったり、なかなかエンジンが掛からなかったりするとすねていると言ったりして面白い。わたしはそんなふうに機械を見たことがなかったけれど、がんばって畝を作るずんぐりむっくりの機械の動きが途中からなんだか可愛く見えてきた。

ああ、今日もめいいっぱい動き回った。今日はお父さんとお母さんもわたしもみんなみんなへとへとだ。それでも夕飯作りは楽しいからやっていく。今夜はわたしの大好きな鶏むね肉のクミン唐揚げ、トマトと小松菜のごま油の酢の物、たっぷり作り過ぎたニラのお味噌汁。いつものように缶ビール一本を3人で分け合う。今日のビールはみんな最高に美味しそうに飲んでいた。
全員で協力し合えば21時には台所を離れてお風呂に入って眠る準備に入ることができる。ラストスパート、眠たくて眠たくてお風呂に入るのもためらうお母さんを盛り上げる。

家族の共通認識をどんどん増やしておく。小さなことをどんどん報告しあって素直にほめ合っていく。家族だからできる褒め方がある。心強い家族はいつからでも作っていくことができると感じる。

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