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観光業界が忘れていること⑧ ~江戸時代は宿屋が旅人の荷物を運んでいた~

江戸時代には移動の大切さが理解されていた


江戸時代の京都の宿屋では、旅人たちの荷物運びを手助けするサービスがありました。これは、当時から旅行者の移動の負担を軽減することが重要視されていたことを示しています。例えば、伊勢神宮への参拝者の荷物を伊勢から京都まで運ぶサービスは、旅人たちにとって大変有益なものでした。詳細は谷釜 尋徳氏の「歩く江戸の旅人たち」に書かれています。

旅人たちの荷物運びを手助けするサービスは、旅の快適性を高めるだけでなく、多くの旅行者にとっての重要なサポートとなっていました。これは、旅の重要な側面として、移動の容易さや快適性が古くから認識されていたことを示しています。

団体旅行主流の時期が長かったため、移動の大切さを忘れてしまっている

しかし、長らく団体旅行が主流であったため、多くの旅行業者は個人旅行における移動の重要性を見落としがちです。団体旅行では、移動手段やルートがあらかじめ計画され、多くの場合、旅行者は移動に関する心配をする必要がありませんでした。しかし、個人旅行では、旅行者自身が移動手段を選び、計画を立てる必要があります。

この変化は、特に外国人旅行者にとって、移動計画の複雑さや不安を増加させています。旅行業界は、団体旅行時代の経験に頼るのではなく、現代の個人旅行者のニーズに合わせた移動サポートや情報提供の方法を再考し、旅行体験全体の質を向上させる必要があります。このことは、旅行業界が快適でアクセシブルツーリズムを提供する上での重要な課題となっています。

出所:観光庁「令和元年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に 関するアンケート」調査結果」


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