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GW為替介入の裏に策士あり

 5月14日にアップした記事で、文芸春秋の先月号の、岩本さゆみ氏の記事「円安が続かない理由」を紹介したが、今月号に続編記事「GW為替介入の裏に策士あり」が掲載されている。
 
 前回の記事とダブるが・・・・岩元さゆみ氏は、日・米・加・豪の金融機関でバイス・プレジデントとして国際金融取引に従事した経験をもち、金融機関専門誌「ユーロマネー」のアンケートで為替予測部門の優秀ディーラーに選出されたこともあるとのこと。
 
 今回の記事は、最近の日本当局の円買い介入の背景を解説している。
 以下、記事を抜粋、要約すると・・・・
 
 日本が過去に数十年にわたりドル売り介入が実施されてきた結果、累積し「外貨準備高」は2024年3月末時点で約200兆円に達している。円買いドル売りの市場介入の資金としては充分な額だ。(注:岩本氏は必要な資金は最大で60兆円と見込んでいる。)
 
 4月18~19日」のG20の財務省・中央銀行総裁会議直前、日本・韓国・米国の財務大臣による初の3か国会議が開催され、「外国為替市場の動向に関して引続き緊密に協議」と共同声明に織り込まれた。更に、国際通貨基金(IMF)の局長からは、「為替の変動が激しい場合、為替介入は適切になる可能性がある」と発言され、介入のためのお膳立てが、出来たと言える。
 
 実際のドル売り、円買いの為替介入は、ゴールデンウィーク期間中行われた。この期間は「薄商い」となるから、より介入効果期待出来る。又、4月26日以降の介入実績については、5月末に実績公表となるから、時間があり、投機筋への牽制になる。実際に介入した金額は約8兆円と推察されるが、詳細は5月末の公表を待たねばならない。(注:5月末の公表では、9.7兆円だった。)
 
 更に、FRB(連邦準備制度理事会)は5月の定例委員会で、政策金利の変更はなかったが、米国債の売却ペースを6月から緩めると公表し。日米通貨当局の連携は、かなり緊密と想定される。であれば、4月末に見た「1ドル160円が今回のドル高のピークとなる」可能性が高まった。
 
 ・・・・と述べている。
 
 先月号の、岩本氏の記事では、日本が、最大60兆円規模の市場介入をし、金利を0.5%程度まで上げ、一方米国の金利が下がり初め、今回の円安は収まると見ている。2、3年で購買力平価の1ドル110円程度に収束するのではないか。

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