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トンネル事故は設計の誤り

 2012年12月2日中央自動車道上り線笹子トンネル
天井板のコンクリート板が約138メートルにわたって落下し、
走行中の車3台が下敷きとなり、9名が死亡した。
当時、この「笹子トンネル天井板落下事故」に関しての
調査とその報道に疑問を持ち、以下、その時の日記です。
 
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 今回のトンネル事故について新聞、テレビなどの論調は、
「点検、修理を怠ったことが原因、」とのことですが、
そうではなく、基本的な原因は設計にあり、
いつかは起こる、であろう当然の事故だと思います。
 
 テレビでの解説によると、
トンネル天井、コンクリートに穴を開けて、
そこにボルトを埋め込み、
そのボルトに天井を吊り下げています。
 
 私は機械系の技術者で、
工場建設や機械の据付などの経験がありますが、
コンクリート床(基礎)に穴を開けて、
アンカーボルトを据えることはありますが、
上に乗る機械の重量を支えるものです。
 
 コンクリートは圧縮には強いが引張りには弱く、
アンカーボルトは重量を支えるためのもので、
抜け出し方向の力を支えることは期待できません。
更に、いったん出来たコンクリートの構造物に後で穴を開け、
ボルトを挿入し、穴に新しいコンクリートを詰め込んでも、
構造物のコンクリートと一体化せず、
新旧のコンクリート間で滑りやすい構造になってしまいます。
ボルトと詰め込んだコンクリートが一緒に落下するのは
如何にもありそうです。
 
 工場などの設備で、天井のコンクリートに穴を開けて
設置したボルトに重量物をぶら下げるなど、ありえません。
まして、人命にかかわるような場所ではなおさらのことです。
 
 コンクリートのトンネル内に天井を設置するなら
左右から柱を立てて梁を渡してそれに天井板を乗せるべきです。
尤も、私が設計するなら、トンネルの天井は
むき出しのコンクリートで何ら問題ありませんから、
そもそも天井板など吊るしません。
換気や照明は別の設計で充分に対応できます。
 
 今回の事故トンネルと同じ設計の天井は
まだまだあるようですが、
直ちに全て設計変更して改造すべきです。
こんなことは当たり前ですが、
何故、誰も指摘しないのか不思議です。
国交省への遠慮でしょうか・・・
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 その後、天井版のあるトンネルの点検結果、
異常のあるトンネルが次々を見つかり、そのすべてについて、
2014年頃までに、天井版が撤去されました。
設計の誤りであることは、(公式には認めないけれど)
公然の秘密のようです。

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