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自宅の桜

 2013年3月の日記です。
 
 普段空けている横浜の家の桜は小彼岸桜だから、
ソメイヨシノより数日早く咲く。
この2、3日の初夏の如き陽気で東京の桜は開花し始めたが、
20日春分の日、久々に横浜の家に行くと、
小彼岸桜は見事に満開だった。

満開の小彼岸桜



 桜は家の歴史と略同じだから、樹齢30数年、
2階の屋根の上まで枝を伸ばし、他の庭木を圧倒しており、
南面の道路を歩く人は、頭上の花を見上げる。
なかには立ち止まって写真を取る人もいるが、
減るものではないから、見逃すことにしている。
リビングの大きな掃き出しの窓から
満開の桜を眺めてコーヒーを飲み、暫し自己満足に浸る。

 やや小ぶりで下向きに恥ずかしそうに咲く花は、
華やかさとひたむきさを併せ持ち、
女性もかくありたいものだと心密かに思う。
穏やかな風に乗った細かい花弁が、
午後の明るい陽射しにきらめき、
地面に舞い落ちて白い斑点を作る。
時折訪れるメジロが花を突っ突く。

 桜の足元にはピンクと白のクリスマスローズが咲き、
左右には赤や白の山茶花の花も咲いているが、
今は桜に圧倒されて目立たない。

クリスマスローズ



 昨年は満開の桜を見せびらかせようと、
妻の兄上、姉上夫妻をご招待したが、
開花はまだ一分程度、1週間早すぎて空振り、
酒と食べ物と適当な会話で何とか時間を持たしたが、
元々、動機が不純だったのがよくなかったらしい。

 我人生の残りを考えると、
年に一度の満開の桜を眺める回数はそう多くはない。
今年は見栄を張るのは止めて、次の土曜日に長男一家を招いて
つつましく花見をする予定。

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