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藤井聡太君の完勝

 昨日は将棋王位戦第4局の2日目、藤井聡太君が挑戦者の渡辺明九段に完勝、対戦成績を3勝1敗とし、王位防衛まであと1勝とした。
 
 一昨日の1日目は、先手の渡辺九段が、以前佐々木勇気八段との対戦で指した時と全同じ手で進め、藤井君も佐々木八段と同じ手で追従して、39手目までは、全く同じ棋譜で進んだ。しかし1日目の最後に藤井君が、佐々木八段と違う手を指して前例から外れた。これに対し渡辺九段は長考に沈み、封じ手を指して1日目を終了した。
 
 2日目、渡辺九段の封じ手を開封して、再スタートしたが、結果的に藤井君の新手が功を奏し、中盤を終始リードして最後は渡辺九段の勝負手を的確に処理して、見事に寄せ切った。藤井君の完勝だった。
 
 前例のある将棋を踏襲することはよくある事だが、今回のように39手、中盤の難所まで全く同じ形を踏襲する事はあまりない。藤井君は考えたい時にはいくらでも時間をかけ、前の第3局では一手に3時間以上かけたこともあるが、今回はそれほどかけずに指している。
 
 思うに・・・・藤井君は前の渡辺・佐々木戦を研究しており、充分に対策を考えていたのではないだろうか。終了後、二人が棋譜を追って意見を交換する、感想戦でも、藤井君の詳細で正確は読みが際立ち、普通の棋士なら思いもつかない手を指摘している。藤井君と対戦すると、将棋で負けた上に、感想戦でも負けて二度負ける、と言われているが、今回はまさにその通り、読みの深さに圧倒的な差があった。
 
 これで王位の防衛まであと1勝、今回の結果を踏まえると、次回で決着がつきそうな気がする。そうなると王位を5年連続保持するので、永世王位なる称号を得るそうだ。
 
 この後は、9月4日から王座戦、永瀬九段のリベンジ挑戦を受ける。更に10月5日から竜王戦、挑戦者は佐々木八段だ。今の調子なら全部勝つのではと、希望的観測をするが・・・・そうはいかないだろう。相手も将棋に人生をかけている一流棋士だ。

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