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新発田城(しばたじょう)

 200x年の初夏、新潟時代に日記です。

 昨日の日曜日、心地よさそうな日差しに誘われて、
ふらっと新発田城にお出かけした。
新潟から電車で40分ほど北上し、新発田駅で下車、
バスに乗り、5分程歩き、新発田城前の公園に到着。
芝生の公園は300メートル四方程度の広さで、老若男女が散歩し、
子供が走り回り、犬を遊ばせている。
周囲は大きな松と桜が取り囲み、日差しが新緑を際立たせている。
ひんやりとした風が頬に当たる。
 
 広場の中央に2本の見事な松の大木が突っ立っている。
テレビの「世界不思議発見」の木に似て、
枝が小山のように周りに張っている。
監視人殿が嬉しそうに駆け寄り、幹に寄りかかって両手を広げる。
俺も幼少のころ、そういった覚えもあるが、確かに幹の太さを実感できる。
1メートル余ありそうだ。
 

大木の直径は?


 広場を抜けると、幅30メートル程度の堀が現れ、
水面が新緑を反射している。
堀の向こう側は石垣で、石が綿密に詰まれて、目地に隙間がない。
石垣はこちら側より、高く積まれ、そのまま城の塀になっている。
その塀が、堀に沿って300メートルほど続き、
内側の桜の枝が水の上に伸び、
塀の上に乗った白壁の小城が3棟、新緑の枝に見え隠れする。
青い空には、白い薄っすらとしたいくつかの雲が浮かんでいる。
 

塀の上に乗る小城


 石垣を見ながら右に200メートルほど歩くと、表門がある。
一段と高く積まれた左右の石垣の上を、白壁の平屋が跨ぎ、
入ってくる人を見張っている。
下では、ボランティアと思しき女性が、
城の解説を書いたパンフレットを渡し、
市外から来た人は記帳してくれとのこと。
横に寄付の箱がおいてあるが、誰も目をくれない。
 

表門 寄付の箱がおいてあるが、誰も目をくれない。


 パンフには、新発田城は300年ほど前の築城で、
本丸などの11棟の建物と主要な五つの門があったのだが、
明治5年に新政府の命で、表門と二の丸だけを残し、取り壊された。
(もったいない話である。)
その後、平成16年に三階櫓と辰巳櫓の2棟が復元されて、今に至る。
といったことが、詳しく書かれている。
 
 門を入り直ぐ右上に復元された辰巳櫓があり、
入り口に説明者(女性)がいる。
声に誘われて、靴を脱いで中に入ると、広さは10メート四方程度で、
中央に急な階段(梯子に近い)がある。
これを登ると、2階には小さな窓があり、表門の外側がよく見える。
ここから、弓を射るのだろうか。
太い柱と梁を組み合わせた見事なつくりで、古文書や絵図などから
忠実に再現されたとの説明に納得する。
 

辰巳櫓の2階に上る

 帰りは駅まで1時間弱かけて歩き、駅前の和食屋で、俺は天ざるそばと冷酒を、監視人殿は、ちらし寿司を食べる。

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