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真夏の工場巡視

 ゴルフもさるものだが、真夏の工場巡視も厳しい。
 
 定例の安全パトロールなど以外に、技術者の案内で、
おのおののテリトリーを週に一度は歩く事にしている。
各自が進めている諸々の改善や今後の計画を説明して、
自己PRをするのは、我若かりし頃と同じだ。
 
 溶解炉や、鋳造ラインでは1500度の赤く溶けた鉄が流れ、
気温40度を越える作業現場もある。
仕上げのラインは鉄粉や砥石、塗装などの粉塵が舞い、
防塵マスクと保護メガネ、耳栓が義務つけられている。
屋外の製品置き場では、荷揃えやトラックへの積み込み作業等
をしているが、真夏の炎天下の作業であり、それなりに厳しい。
 
 作業環境を少しでも改善しようと、
外気を肌に取り入れるファン付きの作業着を着用し、
要所にはエアコンの効いた部屋もあり、
スポットクーラーも置いて一息つけるようにしてある。
しかしながら、分厚い作業着に重い安全靴、安全帽に、
防塵マスクと保護メガネを被っての作業は厳しく、
毎年、熱中症にかかる人が1人2人いる。
 
 巡視は都度場所を変えるから、作業者は、
月に2,3度は社長の防塵マスク姿を見かけるはずだが、
それを意識した演技でもある。
 
 昨年夏、巡視後に気分を悪くして部屋で休んだこともあり、
あるいは歳(さほどでもないが、)を気遣ってか、
案内の技術者は、1時間以下で切り上げてくれる。
敢えて時間を縮めたと言わないところが、武士の情けであろうか。
それでも終了後は汗びっしょりとなるから、
直ちに下着も作業着も全て着替えて席に付き、
何事も無かった如く装う。
 
 今週、製造ラインはお盆休みで休止中だが、
各所で設備の補修や改造工事をしており、
明日は設備担当者と共に進捗状況を見ることになっている。
夏の巡視に耐えられなくなった時は、・・・リタイアだな。

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