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両親 14.叔母の葬儀

 2006年10月のある日、新潟から横浜に行き、叔母の葬儀に母とともに出席した。叔母は、母の妹で、父の弟と、結婚していて、叔父はかなり前に亡くなっている。両親が兄弟同士ということで、私が子供のころから親戚の中でも行き来が頻繁で、子供同士も従弟というより兄弟に近かった。叔母は親戚のなかでも突出して、大の麻雀好き、5ヶ月ほど前、その麻雀の最中に(興奮して)突然倒れて、以来、意識不明、5か月間、最後まで意識は戻らなかった。叔母にとっては大好きな麻雀中に倒れてそれまで、人が死ぬ理想かもしれない。80歳くらいだったと思う。 

 葬儀の出席者は、叔母の息子、娘それぞれの家族8人と、叔母の姉妹、姪、甥が9人の僅か17人、いわゆる密葬だ。お焼香はゆっくりと一人一人が心を込めて、お別れの場面では、全員が、花を顔のまわりに入れてお見送りをし、火葬のあとは、それぞれの思いを込めて、骨を拾う。まさに「朝(あした)に紅顔ありて夕べに白骨となる」人生は一瞬で終わる。

  母は覚悟ができていたようだが、それでも些かショックだったようだ。帰りのタクシーに乗る前に、車椅子を押しながら、当家もここで、密葬だからなと、言い聞かせたら、まだ、先の事だと言い、不満そうだった。

  因みに、母は4姉妹の長女、他の妹2人は未だに健在、おおよそ100歳と90代半ばだろう。姉が偶に電話で話をするが、まともな会話だとか。どうやら、酒と麻雀さえほどほどにすれば、長生きの家系だったらしい。

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