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私が大切にしている10のこと ① 全ての人と横の関係

  クリスティ「春にして君を離れ」の後、積読していた佐藤正午「月の満ち欠け」を読んだが、私にはもう一つ、二つで欲求不満気味だ。更に2冊ほどアマゾンでポチしたが、届くまで数日かかるので、間を埋めるべく、本屋さんで文芸春秋を購入した。
 
 新年特大号と称していつもよりかなり厚い。特集「私が大切にしている10のこと」と称して、各界の18人が自分のモットーを打ち明けている。各人の経歴、経験、思想、性格などから出て来た多彩な結論が述べられ、成程そうだろうなと思うことも多いが、中には、自分には思いつかないことも多々ある。
 
 振り返って、「私が大切にしている10のこと」は以下の10です。
 
①    全ての人と横の関係
②    監視人殿(妻)には決して逆らわない、
③    息子達に必要な援助はおしまないが、口はださない、
④    二人で暮らせる限り人形町に住む
⑤    驕らず、転ばず、風邪ひかず
⑥    自分の病気のことはネットで徹底的に調べる
⑦    毎日リハビリ運動とリハビリ散歩をかかさない、
⑧    いつも上機嫌なふりをする、
⑨    日記を書く
⑩    本を読み、1行コメントを書く
 
 以下、順を追って述べてみる。
 
 
①    全ての人と横の関係
 
大学を卒業して就職した時、会社は縦社会だと普通に思っていた。しかし勤務してみると、先輩が技術的に優れているとは限らず、訳の分からない上司が多く、理不尽に扱われることも経験し、疑問に思うことが多かった。上司に諸々の疑問を呈すると煙たがられることが多く、生意気な新入社員だと思われたに違いない。今思えば自分でも自負心の高い嫌な性格だったと思う。
 
 30歳を過ぎて、中間管理職になったころは、部下に嫌われたくないから、議論、相談などする・・・・ふりはしつつも、最後は全て自分が決めていた。自分の技術力を過信していたかもしれない。
 
 40代後半から50過ぎまでは、左遷と抜擢を繰り返して経験した。突き詰めれば、社内の経営主導権、人脈争いの駒だったのだろうが、その過程を経て大人になったような気がする。
 
 53歳で新潟の子会社に左遷されたが、牛後より鶏頭だと、真面目に社員と共に頑張った。その頃は(私を含めて)全社員は苦楽を共にする同士だと思うようになっていた。 思えば、生意気この上ない新入社員から年月とともに随分変わったものだ。以降21年間、3社にわたり、会社にとって最も大切なのは言うまでもなく社員だと思っている、少なくともそのふりをして経営してきた。
 
 10年程前に、アドラー、ラカンなどを読み、改めて、そういうことかと自分なりに納得した。昨今、家庭内では、監視人殿とも息子達とも対等な横の関係と思う事にしており、若いころの行状を密かに反省しているが、勿論決して口には出さない。

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