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本社移転

 2009年6月の日記です。

 昨年10月今の会社の経営者に就任して、諸々の簡素化、変更を進めている。就任後直ちに、社長室、役員室を廃止、社用車、交際費用のクレジットカードも廃止し、更に、この秋に本社を東京中央区から埼玉の工場事務所に移すことを決めた。本社と工場の管理を一体化して組織を大幅に簡素化するのだが、必然的に人も大幅に減る。
 
 営業は東京に残すが、管理系の数十人が埼玉に転勤となる。自宅が埼玉の人は問題ないが、東京、千葉、神奈川の人は、自宅から通勤するか、転居か、単身赴任か、選択することになる。勿論いずれにしても費用は会社が負担する。一般的に東京の会社に通うサラリーマンの通勤時間は、1時間以上が当たり前で、2時間近くかかる人も少なくないが、往復3,4時間になり、勤務時間8時間を考えると、異常とも思える。
 
 通勤2時間程度で、迷っている人が多いようだが、それなら、会社を辞めると言う人が出てきた。奥さんも東京勤務だし、最近家を建てたばかりだから、転居はいやだ、2時間近くかかる通勤は無理、との事。彼が辞めるなら自分も辞めると言う人も数名出てきたが、いずれも30代で、当社戦力のばりばりだ。既に次の会社を探し始めている人もいるとか。

 私の若かりし頃、サラリーマンの転勤は当たり前で、家と建てると、転勤になる等と言われたものだった。会社か家庭かの二択なら、大多数の人は家庭を選ぶだろうが、この問題は二択ではなく、いかに双方を立てて、妥協するかだと思うのだが・・・
 
 
 追:結局、辞めると言い出した人も、それに引きずられた人も、
   誰も辞めず、通勤時間が増えた分、残業時間が減った。

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