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加虐行為は一気に

 以下、マキャヴェリ「君主論」の一節・・・・
 心に留めるべきは、ある国を奪い取るとき、征服者は当然やるべき加虐行為を決然としてやることで、しかもそのすべても一気呵成におこない、日々それを蒸し返さないことだ。さらに蒸し返さないことで人心を安らかにし、恩義をほどこして民心を掴まなくてはならない。・・・・
 
 
 今、イスラエルがガザに侵攻してハマスを攻撃、殺害し、民間人にも深刻な被害が及んでいる。今回の件は、元をただせば、ガザを支配するハマスが、10月7日に突然イスラエルに数千発のロケット攻撃をして、戦闘員が侵入、民間人を1000人以上殺害し、250人を人質として連れ去るというとんでもない暴挙が発端だった。
 
 勿論、ハマスが暴挙をしかけたのは彼らの理屈では止むを得なかったわけで、単純に是非を云々できるわけではない。過去の経緯を紐解くと、イスラエルもイスラエルであり、ハマスもハマスとは思うが、解決は難しく紛争は数十年に及んでいる。
 
 今回の紛争に限ってみると、イスラエルの行動はあまり上手くないと思う。ハマスの暴挙後、イスラエルが反撃し、ガザを空爆、地上軍の侵攻に至って既に一月を越えており、今後も継続しそうだ。当初、ハマスの暴挙に非難ごうごうだった国際社会は、イスラエル非難に傾いている。今はイスラエルがガザを侵攻し、病院を占拠するなど残虐行為におよび、既に1万人以上を殺している、と連日報道され、日に日にイスラエルが悪者になっている。
 
 で・・・・今回の対応に、イスラエルは時間をかけすぎているのではないか、侵攻したハマスをイスラエルから追い出すのに1週間、その間に素早く準備をしてガザに侵攻し制圧するのに1週間、合計2週間程度で大勢を決着させることは出来なかったのか。
 
 加虐は一気にすべきで、時間をかければかけるほど、ガザ住民の恨みがまし、国際社会の印象も悪化する。相当な無理をしてでも、最初の発端がハマスの暴挙との印象が薄れないうち処理すれば、ネタニヤフ首相は国際社会でもイスラエル国内でも、もっと評価されたのではないか。勿論、そもそもハマスの不意打ちを許した気のゆるみが問題ではあるのだが。

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