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寿三郎館

 人形町に住み始めた2008年12月、
特にシャンソンが好きというわけではないが、
人形町に人形師の辻村寿三郎館があり、そこで、月に一回、
第三火曜にシャンソンのライブを催すとのことで、聴きに行った。

2015年に閉館されました

 
 寿三郎館は間口の狭い2階建て、
1階に寿三郎作の人形が所狭しと並んでいる。
和服の人形が大半だが、ドレスの人形もある。
人形師が下から手を入れて動かすことから、
着物やドレスの裾が長く、抜群のプロポーションだ。
顔の造りは、一つだけ見れば素晴らしのだが、結局は
2,3のパターンに集約されているように見える。
 
 1階の奥が狭い(5×8メートルくらい)会場になっていて、
20脚ほどの椅子がぎりぎりに並べられている。
やがて席が埋まり、開園する。
ピアノが一人、歌は(結構な)年配の男女一人ずつ、
それに、寿三郎のトークが加わって進められる。
因みに寿三郎は前日に後期高齢者になったとか。
 
 生の歌とピアはなかなかで、特に女性が別れた彼を思って、
心情を吐露するところなど、味があり、物語の核心を
歌っていて、いかにも、シャンソンだ。
隣では、寿三郎が操る人形が、表情豊かに、
ダンスを踊り、首を傾け、手を広げ、アコーディオンを弾いたりする。
自分に語りかけられているように錯覚し、別世界だった。
 
 観客はリピーターが多いようで、最後に寿三郎氏から、
誰々さん、有り難うございましたと、
固有名詞で紹介されていた。
昨夜はNHKが来て、ずっとカメラを回していた。
来年3月に3チャンネルで、寿三郎を4回に分けて紹介するとのことで、
その一回分とか。
 
 なかなかだったが・・・当家はリピーターにはならない。
寿三郎は左耳にダイアのピアスをしていたし、
名前を呼ばれるのは気が進まない。


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