世の中の役に立たないこと。#4
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
Official髭男dismのPretenderの歌詞の一節だ。
先日、男友達と最近できたばかりのスヌーピーミュージアムとひつじのショーンカフェに行ってきた。「男友達と」なんて書くと、なんだかデートっぽいけれど、片耳だけにピアスをした彼なので、私たちにはきっとラブ要素はないはず。きっと…。
「好きだ」と言うのは無責任なのか
その帰り道、彼は車で来たと言うので、途中まで乗せてもらうことにした。
カーステレオから流れてくるのは、RADWIMPSやキングヌーなど、20代が好きそうなアーティストの曲ばかり。当然、私もほぼ知っているというラインナップだった。そんな中で、流れてきたのはOfficial髭男dismのPretender。この曲も、もちろん知っている。何なら、先日、長年付き合っていた恋人と別れたばかりの友人が、カラオケでこの曲を歌っていて、コメントに困った曲だ。
Pretenderを聴きながら、彼は眉をひそめ、こう言った。
「好きだ」とかって言うの、ホント無責任だよね。
急にどうした? と思ったけれど、とりあえず「何があったの?」と聞いてみた。
どうやら、バレンタインデー付近に、職場の人から本命チョコをもらったらしい。告白か〜〜と、内心羨ましく思いながら、恋愛対象外の人からの好意はただただ、迷惑行為でしかないって思ってしまうのは、まあわからないでもないな…と思ってとりあえず話の続きを聞いた。
しかし、たとえ彼はその気が無かったとしても、告白を「無責任な行い」として捉えてしまうのは、何だか寂しいような気もした。
彼の話しか聞いていないから、一方的な解釈になってしまうが、告白してきたお相手は、どうやら彼のことが好きで好きで仕方がないから告白した、というよりは、年齢的に、世間的に恋人が欲しくて告白したというような感じもしなくはない。
大事な友人なので、できれば形として恋人が欲しいから告白した、ではなく、好きで好きでしょうがなかったから告白して欲しかったなあと思う。
とはいえ、誰かに好意を伝えることができるというのは、ある種の優れた能力だと、私は思うのだ。普段は恋愛しづらいこじらせた私だけど、告白できる人は本当に勇者だと思う。絶対に付き合える確証などないのに、もしかしたら、今まで通りの関係ではいられないかもしれないのに、それでも好きな人に気持ちを伝える。本当にすごいよ。
それにしても、告白って、恋愛って、無責任にできるほど簡単なものなのだろうか…。恋愛経験は幼児レベルなので、よくわからない。
「好きだ」と無責任に言えない人々
結果はどうであれ、「好きだ」と気持ちを伝えらえるのはある意味幸せなのかもしれない。
先日、カードキャプターさくらのさくらと知世に関するコラムを読んだ。
CCさくらのアニメが放送されていた当時、私は幼稚園生で、毎回変わる可愛いコスチュームと、繰り出される魔法に夢中だった。主人公の木之本さくらは私のアイドル的存在だった。
さくらのことしか眼中に無かった私は、周囲のキャラクターの事情など知ったこっちゃ無かった。とにかく、強くて可愛いさくら、それだけでよかった。
上記のコラムは、ネタバレを含む内容なのだが、おかげで当時気づけていなかったことの多くを気づかせてくれた。さくらと知世が又従兄弟であることも知らなかったし、知世のさくらに対するまなざしも知らなかった…。知世もまた無責任に「好きだ」と言えない1人である。
あとは、パートナーがいる人に対してや、パートナーがいる人が、無責任に「好きだ」と言ってはいけないよね。そこを飛び越えていく人々もいるが…。
気持ちは変わる
彼が告白されたというエピソードを皮切りに、そのまま互いの恋愛観の話になった。お互い、恋愛に対しては比重を置いていないのだが、それでも年齢的なことや福祉業界に身を置く者としては、1人で生きていくには不安なところもある。
制度的な結婚は、しているとメリットもある。しかし、制度に恋愛感情を絡めるのは如何なものか、という点ではお互いに合意した。中には長年気持ちが変わらない夫婦もいるけれど、いつまでも同じ気持ちを保ち続けるのは難しいことなのではないだろうか。
そういった点で、「契約結婚って魅力的だよね!」という話になった。
結婚自体が契約なのだから、二重契約感が否めないけれど、恋愛感情を絡めないパートナーシップのあり方は個人的にはありだと考えている。さらには、友人も同じような考えを持っていたことから、他にも似たような考え方をしている人はいるのでは…? という、謎の自信が湧いてきた。
まあ、無責任に「好きだ」と言える関係性が一番幸せなんじゃないかと思うけどね。
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