あるアパートでのコロナ療養日記(1日目)
とうとう流行病にかかってしまった。
どこでもらったんだろう……?思い当たる場面はいくつもある。しかし、なってしまったものは仕方ない。おとなしく療養に励むとしよう。
最初は「ただの風邪くらいだろう」と思っていた。職場でもらっていた抗原検査キットを2回しても陰性だった。今日は念のため仕事を休んだ。抗原検査キットがまだ残っていたので、一応やっとくか……と思ってやったところ、ようやく陽性のお墨付きがついた。
いよいよか……とすんなり受け入れられたものの、収入に響くのは正直痛い。今日から1週間ほど、自宅療養生活が始まる。「1週間くらい休みほしいなぁ」と思っていたけれど、こんなの全然うれしくない。
まずは陽性になったことを県の専用サイトに登録。これが意外と面倒で、本人確認できるものの写真や、陽性判定が出たキットの写真のアップロードを求められた。アップロードにやや手間取ってようやく登録ができた。次に職場への連絡。市内に住む実家の両親にも連絡を入れた。そんなこんなをしているうちに結構な時間が経っていた。
お腹が空いているわけではないけれど、早く回復するには栄養が必要だよな……適当に家にあるものを食べた。宅配弁当のハンバーグ弁当に、卵かけご飯!なかなかジャンクだ。
何人かの友人に「コロナになった」報告のLINEをした。今日から一人で家にいなければいけないと思うと、それはさみしいことだ。誰かとつながりを持っていたい。これは、社会との柔らかい断絶にも思えた。だから、自ら声を発して他者とつながりたい。「飲み物届けようか?」と言ってくれる人もいてうれしかった。
「寝ていろ」と言われても眠れない。ただベッドに横になっているだけなので非常に暇だ。でも、発熱はしているし何かする元気はない。TikTokで超短い動画をぼーっと何時間も眺めるくらいしか、その時の私にできることはなかった。こんな時まで「何もせず1日が終わっちゃった」と後悔している自分がいる。何か有益なことをしなければならないみたいな呪縛は怖い。
熱が39度を超えたところで、これはまずいと思って解熱剤を飲んだ。すると、すーっと熱が下がり始めた。
人からおすすめされたドラマを観たけれど、いまいちしっくりこず1話で観るのをやめた。なんだかやたらとお腹が空く。コロナってもっと重症か無症状なイメージがあったけど、私はそのどちらでもない。こんなに食べても食べてもお腹が空くのは不思議なことだ。あと、思ったよりも寝れないのもそう。
明日は燃えるゴミの日だ。冬だから一回くらい出せなくても問題ないと思ったけれど、ちゃんと出さないのはかえって落ち着かないので出しに行った。私なりのマイルールである。
今日、初めての外出。家から出ると、地面が濡れていた。雨が降っていたなんて知らなかった。私が家にいるうちに外では何かしら起こっているのだなと思うと、再び社会との柔らかな断絶を感じた。
外に出たついでに、家から一番近くにある自販機で初めて飲み物を買った。あまりにも近すぎて今まで購入したことがなかった。ポカリスエットとマッチ、ポカリスエットのロング缶を飲むのは初めてかもしれない。こんなことがなければ自販機でポカリスエットのロング缶を買うことはなかったかもしれない。
明日から健康観察が始まる。外に出られるまで早くてあと7日。
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