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【1781年創業】日本最古の駄菓子屋に行った話
この間、日本最古の駄菓子屋に行ってきた。
最寄駅は東京の鬼子母神前駅。
鬼子母神についた。ここの境内に日本最古の駄菓子屋はある。
日本最古の駄菓子屋として知られる上川口屋。1781年創業。
1781年といわれてもピンとこないので試しに年表にしてみよう。
1773年、徳川家斉生まれる
1774年、杉田玄白ら解体新書を出版
1776年、平賀源内がエレキテル復元
1780年、平賀源内亡くなる
1781年、上川口屋創業
1782年、天明の大飢饉
1786年、田沼意次が老中を解任
1787年、徳川家斉、11代将軍になる
1788年、田沼意次亡くなる
上川口屋は、天明の大飢饉で日本が大変なことになったり、平賀源内・杉田玄白・田沼意次といった江戸時代の偉人の中でもわりと強い個性を持った人たちがわちゃわちゃやっている中誕生したのだ。
私が子どものころ、駄菓子屋はすでに衰退していた。数えるほどしか行ったことがない。行ったことがないのに懐かしく感じるのはよく考えると不思議だ。
私はもう働いているから、百円という限られた予算で少しでも良いものを買おうと頭をひねる必要はない。その気になれば一万円札を五枚ほどレジにポンとおき、「棚の右端から左端までくれたまえ」ということもできる。
だけど、子どものように本能に任せて買いまくるとあとで後悔するので、一番買いたい駄菓子を一つ買うことにした。私はあとのことを考えて自制するつまらない大人になってしまった。
そこで、せめてもの抵抗として一番ほしくない駄菓子も買うことにした。
一番ほしかったのが、東京ニコニコラムネ製菓本舗のラムネ。
高齢のおじいさんが製造しており、「跡継ぎがいないため自分の代で終わりだ」と語っているのをテレビで見たことがある。もうすぐ世の中から消えてしまうことが決まっている一品だ。
商品名すら書かれていないシンプルなセロファンに包まれた、少しくずれかかったラムネ。滑らかな口どけと強い酸味が特徴的だ。雰囲気による補正を抜きにしてもおいしい。近い味を他に食べたことがない。
なくなってしまうのは惜しいが、跡継ぎもいないし、現代には大企業がもっと安く大量生産しているラムネがいくらでもあるので仕方ない。
もっともいらないと思ったのであえて買ったセブンネオン(通称マンボ菓子)。
「ABCDEFGH」という意味のないアルファベットの羅列、どこか既視感のあるなくても売り上げには影響なさそうなキャラクターが目をひく。
中身は、ビニールチューブに入ったラムネ菓子だ。太さが不ぞろいで手作り感がある。昔食べたことがあるが、食べづらく、今ひとつ存在意義の分からない駄菓子だった。
結論から言うと、記憶よりはおいしかった。ラムネ系の菓子ではあるのだが、チューブに押しこむという作り方の都合上かやわらかく、ラムネとは異なる食感だ。甘すぎず、かすかにさわやかな香りもある。記憶はあてにならないものだと思った。
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