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素敵な言葉のレンタル方法(同人誌で歌詞の掲載をお願いする方法)

 またもお久しぶりでございます。
 今回は創作物に歌詞を掲載するので、関係各所に根回しした体験記です。
 前置きはさておき、さていってみましょう!

 もし「日本の作品(JASRAC管理作品)」の歌詞を使用したい方は、こちらのnoteが大変役に立ちます!

 思っていたより敷居は高くないし、使用料も恐れるほどではありませんよ、というお話です。
 JASRACのみが管理している作品の歌詞を使用するなら、こちらのnoteがとても丁寧に紹介してくださっています。

 今回は若干のイレギュラーを含むので、ニッチではありますが、私の例をご紹介したいと思います。

コト ノ ホッタン

 私事ですが、今まで二次創作中心の物書きをやっておりましたし、歌詞を作中で扱うことはありませんでした。
(同人あるあるで勝手に脳内イメージソングなど設定していましたが……) 

 今回文学フリマ京都8に合わせるための作品をポチポチしていて、最後の場面に少々迷いました。
 ここがうまくいくかいかないかで、画竜点睛を欠いてしまうかもしれない大事な局面です!
 そのとき、昔に聴いたある曲がふと脳裏にひらめきました。
「そう! これ! 求めていたのはこれなのよ!」(錯乱気味)

 Cole Porter "Every Time We Say Goodbye”

 歌詞を確かめて、張り子の虎のように激しくうなずく愉快な物書き未満。
「これは……しかるべきところにおうかがいをたてて、きちんと掲載許可をいただくべき案件なのでは?」

 これが個人的大騒動の開演のベルが鳴り響いた瞬間でした。

オンガク ノ ジカンデス

 さてさて、私の騒動までの状況の確認です。

原稿:脱稿・PDFに変換して最終確認中
印刷:印刷所様に予約済み、入稿〆切確定

 一見「よい子入稿」ですが、今回それを目指しすぎたのが仇になりました。

引用したい曲(今回は歌詞のみ。訳詞はありますが、自前で意訳):
 Cole Porter "Every Time We Say Goodbye”

 参考にしたnoteによれば、JASRACへの申請は以下の5ステップです。

① 使いたい曲がJASRACのデータベースに登録されているか確認
② J-RAPPというシステムのログインID発行を受けるための申込書を郵送する(一回きりの作業だけれど唯一ここが若干面倒)
③ J-RAPPを使って使いたい曲を申請する
④ 早ければ1日で許諾番号が届くので、同人誌の奥付などに番号を転記
⑤ 後払いで請求書が届くのでコンビニ等で支払う

上記三月さんのnoteより

 どうやらJ-RAPPというシステムを介して申請を行うようですね。
 J-RAPPを利用するにはログインIDが必要なようです。
 ここから申請しましょう。
 利用規約を読んで「同意する」をクリック。
 利用者の情報を入力した後、「利用申込書」を印刷し、JASRACに郵送します。
 コロナ禍以来、在宅勤務推奨体制のため、ID・パスワードはメールで返送されます。
 申請もオンラインで済ませられればとは思いますが、いざという時のために紙の申請書も必要なのでしょうね。(と納得しようとする)
 
 確か11/23にオンラインで申請を済ませ、同日に「J-RAPP利用申込書」をレターパックで発送。(その日のお昼の便に乗ったと思います)
 翌24日朝には受付確認メールが到着。
 27日には「J-RAPP利用申込窓口開設の手続完了のお知らせ」というメールを受け取り、喜び勇んで申請をしようとして、大変なことに気づいたのです。 

 Cole Porter "Every Time We Say Goodbye”
 思いっきり外国作品だー!!!
 てか、なぜこれを見落としていたのだ……
 おとなしく「外国作品の利用について」をクリックします。はい。

 どうやらJASRACさんに申請する前に「サブパブリッシャー」さんの許可が必要なようです。
J-WID」で検索しましょう。

題名を入れて……
11件もヒットしました

 私が使用したいのは Cole Porter "Every Time We Say Goodbye" なので、最後の2件が該当しますかね。
 右端の「詳細」をクリックしてみましょう。

「出版」に使用するので、該当箇所をクリックすると、
「ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス」がサブパブリッシャーのようですね。
 JASRACさんがここで主なサブパブリッシャーの一覧を紹介してくれています。
 おもむろにリンク先へジャンプ!

 使用したいのは「ディズニー以外の洋楽曲なので、事前申請書フォーム(WEB申請)をクリック。
 すると下図のページに飛びますから、必要事項を記入してください。


ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスさんの場合は
  申請者
  メールアドレス
  電話番号
  都道府県
  出版物題目(出版する本のタイトル)
  版数確認(初版か再版か)
  発売日
  税抜価格
  収録種別(今回は書籍)
  発行部数
  収録曲数(今回は1曲)
  申請楽曲数(5曲まではこのフォームで対応可能)
が必須項目となっておりました。

 無事到達したら「楽曲許諾申請【洋楽曲ディズニー以外】 ありがとうございました」という自動返信メールが届きます。
 追ってヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスさんからメールが届きましたが、なんと「今回掲載される原詞使用箇所の原稿(前後文脈を含む)をお送りいただけますでしょうか。本メールに返信の形でお送りいただけますようお願いいたします」という内容!
 一次創作で異性愛ものでよかったと心から思いました……
 送られたメールに返信の形で原稿を送ります。

 で、また一つ問題発生。
 日程ぎりぎりに申請したものだから、印刷所の〆切に間に合わない……
 おずおずと間に合わなさそうなときはどうすればよいのか印刷所さんに問い合わせました。
 幸い、依頼した印刷所さんは注文をキャンセルしたらポイントで返還してくれるシステムだったため、いったんキャンセルして許諾が取れた時点で再注文することにしました。
 サブパブリッシャーをはさむ場合はJASRACオンリーの申請より時間がかかります。
 11月27日にヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスさんのフォームに入力して、その後何度かやりとりを交わし、最終的に12月6日にサブパブリッシャーでの手続きが終了。
 同じ日に先に挙げたJ-RAPPでJASRACに申請しました。
 案の定、「サブパブリッシャーさんの許可が要りますよ~」と言われたので、翌日12月7日のお昼休みにスマホでポチポチとJASRACに回答しました。
 その日のうちに許諾番号が交付されました。
 あとはそれを奥付に載せるだけです。

こんな感じです

 さて、それで体裁は整ったのですが、個人的事情などをもう少し。
 今回、原詞+自前の訳詞を掲載したのですが、サブパブリッシャーにお願いすると、「訳詞に著作権を主張しない」ことを確認しなければいけません。
 まあ、へっぽこな訳なので、惜しくはないですが、そういう部分が引っかかる方はご注意ください。

 使用料は2~3ヶ月後に請求されるとのことなので、まだですが、おそらく5000円+消費税の5500円になると思います。
 国内作品の場合、もっと親しみやすいお値段のはずですので、歌詞を掲載したい方は、一度JASRACを覗いてみるといいかもしれません。

 請求書が届いたら、また加筆しようと思います。
 字書きの皆さんの一助になることを願っております。

 よき創作を!

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