90's Heavy Metal/Hard Rock回顧 ⑩1999年
本シリーズもついに最終回。1999年といえば正確には世紀末ではないのだが、1900年代が終わり新たなミレニアム、2000年代を間近に控えてなんか世界全体がソワソワしていた記憶がある。
改めて本シリーズの第1回の1990年
を見てみたが、今回紹介するのは1990年には存在していないアーティストが多く、完全に刷新された内容となった。何度も触れている通り、これは業界の全体俯瞰ではなく、完全に個人的な記憶の整理(&新たな発見も求めて)のためなのだが、本当にこの10年はメタル・ロックファンにとって、超刺激的なものだったのだとつくづく思う。
さてこの年の名作を一気に7枚紹介する。
Skipknot「Slipknot」
何と言っても1999年と言えば、Slipknotを挙げないわけにはいかないだろう。メンバーが9人!で全員仮面&つなぎでヘッドバンキング。とにかく最高に刺激的だったし、曲もリズムがカッコよく、メロディアスな部分もあり。「このバンドがこれほど長く続くとはデビュー当時は正直思わなかった」とは最近でもよく聞くフレーズだが、旧メンバーの逝去など重なりながらも今でも"Knotfest"を引っ張るなど現役バリバリだし、インターバルは長いものの新作も毎回楽しませてくれている、自分にとってもベスト10に入るバンドの1つ。この1stとその後の2ndはほんとによく聴いたなあ。
Nine Inch Nails「The Fragile」
Slipknotが出てこなければこの年のベストはこのアルバム。
「The Downward Spiral」から5年、その間に"The Perfect Drug"などさらに期待を煽って、待ちに待った4作目。2枚組でボリュームたっぷりだが、まずは1~5の流れが最高。当時のトレントはアルコール問題もあり健康状態が微妙だったらしいが、第1期NINの集大成である名盤。
2000/1/10に来日公演を見に行っていて、以下がその時のセットリスト。
その時の感想は「最高!でもなぜ"We're In This Together"やらないの?」で、その謎は今でも解けていない…
Limp Bizkit「Significant Other」
このバンドのこのアルバムも絶対触れないといけないだろう。
最もふさわしい言葉は「時代の寵児」だと思う。
"Nookie" "Break Stuff" "Re-Arranged"など名曲多数だが、"N 2 Gether Now"ではMethod Manとの共演もあり、これを機にラップ・ヒップホップにも手を伸ばすようになった人も多かったのでは。(もちろん私もその一人で、この年にデビューしたEminemにも衝撃を受けたなあ…)
Rage Against The Machine「The Battle Of Los Angeles」
こちらも満を持しての3枚目。方向性は変わらずなので若干マンネリ感も出てくるところだが、1st/2ndではなかったような"Guerrilla Radio"や"Sleep Now In The Fire"をシングルに切ってくるあたりさすが。これも本当に良く聴いたが、結局このアルバム含めオリジナルアルバム3枚で終わってしまった(まだこれから出る可能性あるが)中でのベストかと言われると微妙かも。
2000/6/25の来日公演に参加。メッセの後ろの方で暴れまくった最高のライブ!だった。
Korn「Issues」
こちらも「時代の寵児」Kornだが、まさかの2年連続で新作をリリースするとは、当時も驚いた。元々ライブでは披露していた"Falling Away from Me"をはじめ、1stの頃のダークさを敢えて強調したイメージ。3rdのメジャー路線も良かったのになと思いつつ、こちらも何度も聴きなくったなあ。
Machine Head「The Burning Red」
「メタル」と言ってもすでにかなり細分化されていたが、ゴリゴリめのバンドとしては最後の砦みたいなバンド、というのが私のイメージなのだが、ついにこのバンドも「ニューメタル」要素を取り入れた3rd。"From This Day"のPVはイメチェンが凄かったが、曲としてはセンスあるし今聴いても良い。"Message In a Bottle"がメチャクチャ印象的でカッコいいのでお気に入りだったが、Policeのカバーだったのを知ったのはだいぶ後…
Incubus「Make Yourself」
このバンドをHR/HMの文脈で語るのは無理があるとは思うのだが、このアルバムは当時から凄くお気に入りだったし、Incubusというバンドも私のフェイバリットベスト10に今でも入るぐらい好きなのでここにエントリー。"Drive"や"Pardon Me"、"I Miss You"なんかは今聴いてもホッコリするなあ。
というわけで一気に7枚紹介したが、その他印象的だったのは
Def Leppard「Euphoria」
Mr. Big「Get Over It」
あたり。この辺は当時全く聞いてなかったし、下手したら今まで1度も聴いたことなかったかもなのだが、改めて1999年括りで聴いたら「これはこれでよいアルバムなのでは、と気づいた。
今回のカバーはStatic-X。Rammsteinとかにも通じる「リズム気持ちいい系」で、こういうの自分の好みなんだなと改めて思った。
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