日本橋エリアのファミリーにとっての住みやすさを検証してみる②教育

日本橋エリアの教育環境は?

個別論点に入る前に…

ファミリーにとって気になる要素として、人によっては教育環境を第一優先に挙げる方も多いかと思います。
小さいお子さんをお持ちの方は、保育園の入りやすさと多さ(通いやすさ)が気になるでしょうし、小学校以上のお子さんがいるとなれば、地域の公立小学が荒れていないか、著しく遠くないか(子供にとって負担にならないか)を知りたいと思います。
そして、ネットを検索するわけですが、こういう本当に必要な情報に限って、ノイジーマイノリティが幅を効かせるのがネットで信頼に足る情報をネットから得るのはそう簡単ではないわけです。
しかし、少し考えてみてください。
居住区としての日本橋エリアは所謂戸建地帯がほぼ存在せずマンション天国なわけです。せいぜい2000年以降に建築されたマンションが多く、そこに住む人も土着の人はほぼおらず、日本橋以外から移り住んでいる人が大半です。
また、日本橋エリアは前回述べたように輩の皆さんにとっては、それほど魅力的ではないため、ここに拠点を構えることありません。久松警察署も目を光らせています。
となると、住んでいる人は真っ当かつ善良な一般市民(ほとんどサラリーマン)となります。
私はパパ友コミュニティに複数所属していますが、なんというか、浮世離れした人はゼロとは言いませんが、少なく、地に足のついた仕事(要するにサラリーマン)をしている方が大半です。
そのようなプロファイルを持つ方の子供が大半なわけですから、保育園・小学校ともに、そう荒れることはないです。
どう表現すれば伝わるか考えたのですが、「全般的に穏やかだが、普通の(多様性のある)子供たちの集まり」です。
わかりやすく、小学校を例に取ります。
相応に躾が厳しい親が多いからか、全般的な印象で言うと、はちゃめちゃにわんぱくな子供が多いと言うわけではありませんが、クラス40人いればそりゃ平均値より元気な子も、大人しい子も、落ち着きのない子もいますよね、という感じです。
学区制で入学試験などは全くない、ということもあり、日本橋エリアの各校の知り合いに聞く限りにおいては、正直そう違いはありません。
より均質な子供が集まる環境を求めるのであれば、学区制でそこに住んでさえいれば誰でも入れる公立小学ではなく、入り口で厳格に絞る名門私立に行くべきと思います。私は小学校についていえば、特に私立に興味はないので、今の公立小学校に大変満足しています。

個別具体的な論点に入る前に、まずは日本橋エリアに住む方並びにその子供という観点においては、上記のような全体感を持っていただければと思います。

保育園関連

日本橋エリアには専業主婦はそう多くはありません。共働きが殆どであり、至る所に保育園があります。
私自身、保育園事情は相当程度精通していますが、子供を幼稚園に通わせたことはないので、このブログでは捨象します。
まずは、保育園入園の基本のき、保育園のご案内から読み解いていきましょう。
https://www.city.chuo.lg.jp/documents/16297/r7goannnai.pdf

まずは、日本橋エリアというか、中央区の保育園入園は、他の区と同様に、利用調整指数という点数制で、高い家庭から順に採用されていきます。そして、同一順位の際は、優先順位の考え方が導入されており、この優先順位にしたがって入園が決まっていきます。文章ではなくフローチャートで表すと以下の通りです。

  1. 調整指数計算(基本指数+加算・減算調整)

  2. 優先順位(同一点数であれば優先順位リストに応じて上位の家庭が優先)

  3. 1・2で全応募者をランク付けして上から並べ、それぞれの応募者の希望園に割り振っていく、希望順位は一切考慮しない、希望園の制限もない。ある応募者の希望園全ての空きがなく、定員が埋まれば、待機児童化→補助を受けて私立保育園

希望園の数は無尽蔵なので、調整指数が高ければ高いほど有利という弱肉強食の世界です。
そして、調整指数の計算方法ですが、これは細かいのですが、以下標準的なモデル家庭をベースとして、これに如何に上乗せできるか、優先順位上位の条件を具備できるか、で勝負が決まります。
逆にいうと、このモデル家庭より指数が低い場合は(例えば片方がパートタイムなど)、相当程度不利です。保育園に子供を入れる確度をあげたいのであれば、点数を上げるために共働きを検討するなど頑張りましょう。

モデル家庭;フルタイム共働き、子供一人
→40点

上記40点をベースに、所得、病気、子供の人数(2名以上だと有利)、姉妹兄弟がすでに保育園に通っている(点数加算プラス優先順位でもプラスとかなり有利)、などなどが細かく優先順位付けされております。
このうち、子供の数はそう簡単には増やせないという見地に立つと、現実的には、中央区在籍期間の長さ、というのが優先順位11に入っているので、これは最低限積み上げないといけません。
具体的には、結婚したらすぐに中央区に移り住むくらいのスピード感が必要です。

中央区令和7年版保育園のご案内より抜粋


さて、ここまで、保育園に入れるかどうか、決めるための基準の解説をしました。ここから、日本橋エリアにおける具体の話に入っていきます。

上記、モデル家庭の調整指数40点がプレーンの持ち点で、優先順位としては11しか当てはまらない場合に、一体どの程度入りやすいのか、ということですね。
こちらは、今年度最新の結果を見てみるとすぐわかります。

また、日本橋エリアといってもかなり広いので、だとして、保育園の数ですが、ざっと20以上はひしめいています。
問題は数よりもどれくらい入りやすいか、ですが、今年4月の利用調整結果を見てみましょう。今年9月に発表になった最新版です。

日本橋エリア認可保育園最終順位・最低指数
列としては左から、57日、7ヶ月、1歳〜5歳
日本橋エリア私立認可保育園最終順位、最低指数
列としては左から、57日、7ヶ月、1歳〜5歳

順位はアルファベット(Aが一番順位が高い)、最低点数は点数で表示されています。
見ていただけると分かるのですが、普通にどの年代にも空きがでていて要するに定員割れの状態が続いている→つまり園を選ばなければ応募すれば誰でも入れたということです。
ただ、この状態がこのまま継続するのかは不明で、日本橋エリアは分譲マンションの新築不毛地帯ですが、賃貸マンションは続々建っているため、今年は空いているけど、来年は空きがなく待機児童になってしまった、ということは起こり得ます。
ですので、念の為できるだけ優先順位が高くなるような動きはしたほうがいいのですが、湾岸の一部エリア(駅遠であるため最寄りの園が満員だと詰む)に比べると、日本橋エリアは保育園自体の数も多く、かなり恵まれた状況であることはいえそうです。
中央区では、認可・私立どちらも中央区の補助を受けているため、どの園でも均質的なサービスが受けられ、著しく何かが劣っていることは基本的にはありません。(法令違反や基準未達で免許剥奪となるため)

というわけで、長くなりましたが、保育園入園という観点では、中央区の中でもかなり恵まれている環境で共働き夫婦の大きな安心材料となるでしょう。

日本橋エリアの保育園地図

小学校関連

小学校については冒頭で述べたので、軽めにいきます。
雰囲気や児童・親の印象については前傾の通りで割愛。ものすごい良い私立を卒業した親御さんであれば、お話にならないレベルなのかもしれませんが、基本的には日本橋エリアのどのエリアの学校も大きく違いはありません。
唯一、久松小が有名だったり、特認校でもある常盤も人気なのですが、所詮はどちらも公立で学校の学習で全てが解決するわけではなく、ほんの少しフレイバー程度の特色がある程度で、客観的に見ればどこも似たようなものだと思います。(公立である限りにおいて、学力でクラス分けやレベル別のような選別を行うことはできません)
私は日本橋エリアのどこかの小学校に通わせていますし、他小学校に知り合いが何名かいますが、学校全体としてここは問題があるからやめた方がいい、というような小学校はありません。
もちろん、それは些細な問題すら存在しない、ということは意味しません。それは、子供が何百名も通っているわけですから、細かなトラブルがないかというとそれはあるでしょうが、きちんと自浄作用が働いて、学校全体の問題にならないようなコントロールがなされているということです。
学校側ではなく、親側もどうかというと、子供の数だけ親がいるわけですから、特定の親を切り取れば、多少はPTAに過度に入れ込む、授業内容にケチをつける、そのような人もいるでしょう。
ただ、そういう個別の事象は公立で学区制をとっている以上避けられないもので、個別のトラブルは個別のトラブルとして適切に対処する学校の組織としての力があれば、さほど問題ではないと私は考えます。
この点、日本橋エリアの各小学校は、組織の問題として蔓延っている致命的な何かを抱えていることはない、安心して子供を通わせられる小学校が集まっていると言っていいでしょう。
このあたりは、小学校に何をどこまで求めるのか、親側の基準に多分に拠りますので、事前に学校見学に行くなどして、許容範囲かどうなのかはきちんと調べておくようにしましょう。引っ越してからだとときすでに遅しですからね。
次に小学校そのものというよりは、小学校が終わった後、共働きの親が帰るまでの学童問題があります。日本橋エリアは残念ながら激戦なのですが、幸いなことに、プレディという小学校内で運営されている放課後に安全安心して一定の時間を過ごせる事業が日本橋、有馬、久松の3校では利用可能です。
令和7年に久松、8年に日本橋、有馬で、プレディプラス、という小学校内学童をお行う事業も始まります。
更に、何社か民間学童も乗り入れているため、ある程度はお金で解決することは可能で、保育園のように落選して私立に行こうとしても、私立もそもそも入れない、というようなことはないので、こちらは不安要素としては保育園問題と比較して深刻なものではないと思います。
ちなみにロケーション的なことをいうと、久松、有馬、日本橋、常盤、と今年から本町はロビーイングが奏功して常盤学区に入ったため、馬喰町の一部を除いては結構な距離を歩くということは生じない形となりました。
こちらも親にとっては毎日のことなので安心材料ですよね。

習い物や塾

こちらは、中央区他エリアと比して圧倒的に優位で充実しています。
公文、中受塾に加え、浜町スポーツセンターで行われているクラブ活動やプールなどなどです。
文武両道が日常的に無理なく行えます。
中受塾に選択肢が複数あることや、公文も各学区にあります。
逆に言うと、勉強等の教育を公教育で全て完結させたいのであれば、日本橋エリアにあえて住む必要はないかもしれません。

総合的に考えると

日本橋エリアは、教育観点で言うとファミリーからみると申し分ない環境だと思います。
大体6-7割の児童は中学受験するので、親の大半もそう多くは小学校での勉強に期待していない点は、いろいろな小学校に通う親と話しているとひしひしと感じます。ただ一方で、社会性についてはきちんと身につけさせたいので、その点だけはよろしくね、という割り切りですね。そうしたそれぞれの期待と役割分担を親と学校双方が共通認識として持っていると言う点は日本橋エリアのソフト面での強みです。
もちろん、私立がない、と言う弱みはあるかもしれませんが、私立第一優先にするなら、そもそも中央区自体がフィットしないんじゃないか、と思いますし、お金には限りがあるわけで、小学校自体は公教育環境を低リスクで享受したい、という思いはサラリーマン親であれば誰しも考えるものです。
そうした親にとってちょうどいい環境が用意されているからこそ、日本橋エリアに一度住み着くとそう簡単には離れない家庭が多いし、湾岸ほどのメディア露出があるわけではないにも関わらず、一部から継続した根強い人気があり、底堅い需要とそれに見合った多様なサービスの供給がなされているのだと思います。

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