見出し画像

【風向風速計取付編1】倒し、書いて、そして起こした

風向風速計取付編0(前章譚)からの続き

さて、どうやって風向風速計を付けようかなー?と考え、色々イメージこそ湧くものの、机上の空論ではアレなんで、マリーナに来ました。

毎回何かの作業をする前から、脳内シミュレーションただの妄想をし、
「これだ!この方法で行こう!」
なんて思いまして、道具とか準備するじゃないですか?
で、いざヨットに来てみると、
「あれ?ここがこうなってたか!この方法ではダメじゃん!」
と言うパターンばかりですからね…

マリーナに着きますと、さすが梅雨入りした関東。

朝6時過ぎ

どんより低い雲が三浦半島の上空を、小松左京の「首都消失」の如く覆っています(映画の方の音楽は、あのモーリス・ジャールを無駄遣いしてましたよね)。
本船は少なめ。PCC(自動車運搬船)が悠々と浦賀航路を入って行きますな。

ふと下を見ると、

産卵を終え、寿命を迎えたとおぼしきカミナリイカモンゴウイカコウイカスミイカかも?)がプカプカと漂っていまして、それをクサフグ軍団がついばんでいます。
ゲソとかはもう無いや。
命のリレーよね。

自然界の循環を見て、命と自然界のエコシステムを学んだ(嘘)ところで、早速…

房総半島側は雲が無いのよね

マストを見上げ、ああでも無い、こうでも無いと考えますが…
トップマストヘッドリグ(ガフリグだから、一概にそうとも言えないか)ですから、マストの前部は無理よね。
サイドステイ(シュラウド)もマストトップ近辺から生えてるから… あれがこう… いや、それならここの… とすると、あっちのアレを利用して…

良いアイディア浮かばず!!


かくなる上は、マストトップ上(あれ?マストトップ上って言葉は頭痛が痛いみたいな重言か??)。
マスト灯こそ邪魔ですが、それさえ何とかすれば、如何様にでも取り付けられる気がする… と言うわけで、マストトップ上を集中的に見ることにします。

ちなみに、簡単に「良いアイディア浮かばず!!」なんて書いてますが、1時間以上もバカみたいに上を見上げてヨットの周りをウロウロしてましたからね!
流石にマストのサイド周辺はギブアップして、上の方にしようと言う決断ですわ。

コクピットに上がると…

なぜ屋根があるここに? 軒先を貸してしまったか?母家が危ない!

ぐぐ!鳥のフンが…
くっそー!(フンだけに)

ぶつぶつ言いながら、サイドステイ(シュラウド)のテンションを緩め、フォアステイのピンを外し、マストのロックピンを外し…

年に何回マストを倒すんだ…

マストを倒しました。

すぐにマストを立たせる予定ですから、ロープ類もろくに纏めなかったので、わずか8分で倒せましたよ。
再びマストを立たせる意味合いは、倒した状態で色々固定するのが面倒だから。
変に色々縛ったりとかするよりも、マストをもう一回起こした方が作業が少ないんですわ。

とりあえずマストが倒れたこのタイミングで朝食タイム。

初見のおにぎりだな

デイリーヤマザキで昨晩買った、スパイシーチキンおにぎり。
消費期限間近だったので20円引きでした。
うむ、こいつはなかなかなお味。

そして、食後のデザートはマストトップ鑑賞。
お隣のヨットから脚立を借り(←普段使わないので自分のは持ってない)、至近になったマストトップ周りを色々考えながら眺めると…

脚立買おうかなー

やはりこっちも、意外とスペース設置場所が無いな…

んーーーー(悩)


やっぱり風向風速計に付属していたパイプとかを使うと、
“こうやって取り付けなさいよ”的に、もうガチガチにやり方が決まっちゃってますから、それが足枷になって取り付け場所の自由度が下がる気がする(ただ思いつかないだけだけど)。

写真はゆうこうマリンさんのサイトから拝借しました

マストのどこかに穴を開けるのも抵抗あるし(この間、クリート付けるのに、マストに穴開けたばっかりだろ!と言うツッコミは聞こえません)、ここはやはり…

ウチのはトップマストヘッドリグですが、ガフリグなのでここが頂点では無いのが辛い

こんな感じで、既存のマスト灯を取り付けている金具とマストトップの間に、新しいパーツ(赤色の部分)を噛ませて、マスト灯に下駄を履かせる感じが楽そう。
なにしろ、穴を開けなくても大丈夫。
ドリルは面倒臭いし、やり直しきかないし、避けたいんですわ。

よし!ならば、既存のパーツ部分を取り外して、計測だ!


と言うわけで、

クレビスピンが邪魔で、スクリューが抜けなかったよ…

既存の金具はスクリュー2本で留められていますので、ドライバーとボックスレンチでキャップナットを外して…

分離!
あ、マスト灯の配線があったか。

配線は切った

これで、底面のサイズを測ればいいですね。

しかし、アルミのマストにステンレスの金具では電触がね…
新規パーツもステンレスで作って、マストとの接触部分は、その辺に転がってるナフロンシートでも挟もうかな。

キャビンに持ち込んで…

図面専用用紙キッチンペーパーロットリング太マジックで、かなり緻密・精密な図面を書きましたよ。
CADから出力したA0版の図面と見分けがつきません。
溢れんばかりの絵心とセンス。

さて、新たに作るパーツの接続部となるこの部分のサイズがわかりました。
OK!今日はここまでです。
あとは家に帰って、どんな形の部品にするか考えないといけません。
キャビンは片付けずに、そのままの状態で帰宅!

と思ったら、マストを倒したままだった!
そりゃそうか… 立てた記憶が無いもん。

20分近くかけて、再びマストを立てて帰宅しました。

今日の成果はこの精密図面、あるいは細密画

パーツはどんな形にしようかな。
ボックス?それともH鋼を横にしたみたいな形?
棒の部分はパイプにするか、棒にするか…

考える事は、まだ結構ありそうです。

風向風速計取付編2へ続く