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ワタシの視線

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1994年にアメリカ上陸。アメリカに住む日本人としての私が感じたこと、思うこと。
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#育児

決して言ってはいけないこと。

ケンカになって、感情的になって、言ってはいけないことを言ってしまうことがある。 おとなになって母になって、子供を怒る時に一呼吸いれるようになった。またやったら「おやつなし」「あのオモチャ、買ってあげない」「お友だちの誕生会には行かせない」「こんどの旅行、あんたはおうちで留守番してなさい」というアノ場面でのことである。 子育て中にはこういう場面が無数にある。が、けっして遂行できないことを脅しにつかわない、というのが、私が自分に課した厳格なルールだった。 当然といえば当然で

母に対して、娘である私が思うこと。

私は、23歳のムスコと19歳のムスメを育てた母である。そして、私は第一子、4つ年下の弟をもつ姉として育った。 娘として、大学に入学してひとり暮らしをはじめた頃から感じていた母に対する違和感を、私自身が母になっても忘れることはなく、中学から高校、大学生へと成長していく子どもたちを注意深く観察しながら、彼らとの距離感をどう適切にとるべきかをずーっと考えてきた。 今回の実家滞在でつくづくわかったことがある。 83歳になる母は、57歳になる私を、相変わらず子供扱いすることが少な

その空いた時間を何をして過ごすのか。

ムスメが4月に17歳になる。運転免許をとるから、水泳の練習も学校も買い物も、私が同乗する必要がなくなる。どこへでも一人で行けるようになる。 「一気にヒマになるじゃん。一体これからその時間どうするの?」 結構な数の友達から真剣な眼差しで聞かれる。その裏にはやることがなくなって時間をもて余して呆然とするのじゃないかという問いが隠れているから、私は首を傾げてしまう。 私にはいくらでもやること、やりたいことがある。 幼児だった子供が大きくなって、一人でお風呂に入れるようになり

どんな子育てをしたらそんな娘に仕上がるのか。

アメリカの高校生、特に女子高校生は、私の常識と想像を超える言動をするが、こんなにびっくりしたことはない。 水泳の練習で。態度が悪いとは聞いていた。今のチームに移籍したばかりの頃、Avaはうちのムスメととても仲が良かったが、ムスメの方が速いことが明確になり、手のひらを返したように離れていっただけでなく、ムスメに対してあからさまな意地悪をし続けた。 コーチが練習の内容を発表する。レーンごとに100mを泳ぐスピードが違う。AvaがコーチであるPatに向かって、怒り顔でこう言った

大学生のインターンシップ。

今年の夏は、大学生の息子も高校生の娘も、職業経験でもありバイトでもあるインターンシップ (Internship) を経験した。 息子の大学は、たくさんの企業と連携して、このインターンシップの機会を学期中に提供する"Co-op"というプログラムで有名である。大学3年と4年の春学期か秋学期のどちらかに、つまり年の半分をインターンシップに従事する。生徒は大学に寄せられる、もしくは企業のウェブサイトの求人案内を見て、希望職種に各自申し込む。書類審査があって、面接の通知が来る。面接を

アメリカ高校生の実態。基礎編。

女子男子にかかわらず高校生の実態というのは親には未知な部分が多いし、よくわかってなくて当然だと思ったほうがいい。アメリカは州によっても都市によっても町によっても、いや、個人で違うから、十把一絡げに「アメリカの高校生」と言っては語弊があるのだろうけれど、私は自分の子供を通しての経験から書くしかない。 男女とともに、まず学年の中に「人気グループ(bitchy popular girls/fuck boys)」がいる。学年の中心にいて目立ってる連中のことだ。「人気」といっても、皆

きちんとしてなくてもなんとかなるのは。

アメリカでの生活は、何が起こるかわからない未知の要素に取り巻かれているという感じがする。日本で育った私の目には、たいていが人為的なミスであることがほとんど。時間に遅れる。約束を守らない。予約していたのに予約されていない。決めておいた約束を直前になって変更する。事前に通知されているべきことがされていない。とにかくキリがない。そして、人為的ミスなのに「すみません」の言葉が続くことがほとんどない、といっていい。 今朝も11時から娘は受験する大学に提出する一斉テスト(SAT/ACT

Routine (決まったスケジュール)に慣れすぎると。

毎日決まったスケジュールで暮らすのは心地いい、と思うのはたぶん母親業だからだろう。朝7時過ぎに娘が学校に行く、2時半に帰宅、7時に水泳の練習、迎えに行くのは9時。夕食。それらの合間に私の予定が入る(というか、入れる)。朝ホームジムで運動、友達とのランチ、買い物、医者のアポ、各種業者の出入り。洗濯や片付けは娘が家にいてもいなくてもできる。娘の医者のアポが入ると、行った先の近くで買い物ができないかと考える。普段は遠くて行くのが面倒なお店に寄ってみる。つまり、効率よく行き先を組み合