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今日はみやげの日

素子は大慌てで、辺りを見回したが人通りはなかった。


素子

米子さん、スマホ、スマホ、救急車を呼ばないと…


米子は悠然と言い放った。


米子

あー、アタシ、ずんぐりむっくりの体内に居るモノたちの声を聞いたのを今、思い出した。気の毒な話よ、ずんぐりむっくりなんてほっときゃ死ぬわ。


食べることでしか充足感も、自己表現も出来ない臆病者の怠け者。モノたちだってウンザリしていたのよ。


自業自得なんだから、助けてさぁ、後遺症なんか残ったら余計かわいそうかもしれないし。


素子

えー、米子さん、でも救急車呼びましょうよ。

米子

アンタ、なんでそんな余計なことしたいの?


素子

今、やれることをやらないと後悔するような気がするんですよ、私、ずんぐりむっくりなんかどうでもいいんですけど、


今日のこの日のことをいつか思い出した時に、あの時どうして自分は救急車呼ばなかったんだろう?なんてしなかった事、


もう、引き返せない事で悩みたくないんです。自分の心のために救急車呼びたい。


米子

アンタさぁ、野良猫に餌やってはいけないって言われてるのに、平気で餌やるタイプよね。


素子

はい、米子さん、私は飢えて苦しんでいるモノがいる時に、ルールだから、それが正しい事だから、としても自分は与えられるのに、それそをしない、そういう人と仲良く出来ません。


米子

そんなお土産拾うなんて真っ平よ!!アタシとアンタは馬が合わないわ。


米子は冷たく言い放ち、その場を後にしょうとした。


つづく

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!