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今日は脱出の日

皆さまの目に米子と素子は、変幻自在にその姿を変えているかのように映っているかもしれないけれどそれは自在ではない。




ここで今一度、おさらいしておくと、新米米子(しんまい よねこ)は純白のピカピカ新米で、その姿を一目見た誰もがヨダレを流しそうになるほど、美味しそうだが、




実年齢は2000歳。彼女は新米舞妓の身体を乗っ取ったから若見えしているだけだがしかし、その精神年齢は5歳児並み。




味塩野素子(あじしおの もとこ)は昨日まで味野素子だったけれど、


今考えてみて、最近の彼女はちょっと塩ぱいから、苗字を変更した。一見、誰とでも仲良く出来そうなソツのない素子だが、




化学調味料である出自の怪しさ、不安さゆえ、犬になるなら大家の犬とばかりに米子を頼ってみたものの、その頼りがいのなさに内心、あきれ返っている。




二人は4万5千回ほど、妖精試験を落ち続け、自分たちの力をコントロールする術を持たない。モラトリアムからの脱出を考えるも出口なしのできそこないヘッポコ妖精。




今も、二人は通りすがりのずんぐりむっくりの腹の中からモノたちの声をキャッチするも、何が起きたのか分からず混乱し、フリーズを起こした。




つづく

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!