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地図の日

レパシーの交信を終えたマックロファージ巡査は暗い表情を浮かべた。

くりくり

巡査?どうしたの?

何か言われたの?

マックロファージ巡査

う〜ん、今、樹状巡査部長に連絡したんだけど、僕の勘違いだ、仲間が健康な仲間を殺して膿スープにしてたんじゃあ、

命がいくらあっても足りないだろう?君の勘違いだってさ…

米子

じゃあ、未知なる侵入者じゃないの?名シェフのね。

マックロファージ巡査

未知…未知かぁ、未知じゃあ地図は作れませんね。

米子さん、実はハイ・ホー婆さんはディアボロと出会ってなくとも死ななくてはならなかったんです。

婆さんが生きていたら、煙害の病に侵されていた婆さんは癌に変身して、異常増殖を始めていたでしょう。

異常増殖って、つまり、役割を持たない僕らって事です。この世界では、誰もがなんらかの役割を持って生きているし、役割が終われば自ら死を選びます。

役割がなく増え続ける烏合の衆となった婆さんは主、ずんぐりむっくり様の体を食い尽くすまでその歩みを止めません。

それは世の終わり、自らの死を意味するのにです。

そしてモチロン僕らも死んでいたでしょう。今回はキラーが仕事を全うしてくれたから僕らはこうしていられるんです。

外敵のディアボロ、ウイルスは弱ったモノに取り付いて、自分のコピーを増殖させ、細胞の家を壊すけど、

癌に、変身した元、僕らの仲間の中には、ヘルパーT細胞指揮官に取り憑いて、免疫最高司令官を騙す術を心得ているモノもいます。

そうなると村どころか世界が、ずんぐりむっくり様の世の終わり。モチロン、僕らも…

くりくり

エッ〜、嫌だよ、巻き込まれて僕も死んじゃうの?ところで、死ぬってなに?

米子

アンタは黙ってて!!内容がややこしくなるわ!!

マックロファージ巡査、じゃあ、アタシらを守るためにも、最高司令官に会った方が良いんじゃない?

マックロファージ巡査

はい、僕は部長に進言したんですが、君の勘違いだ、君の舌が馬鹿になっているだけで、

これはコピーされたディアボロの仕業だから、余計なことはするなと…

くりくり

ウワッ!!最高司令官を陥れようとしているのは誰か!!はたまた新たなる侵入者?この話しの流れじゃ、

最高司令官に会いにいくしかないよねぇ〜、僕らのこれからは誰にも分からない、明日という白紙の地図があるだけだ!!新しい地図なんてワクワクするよ、だから僕らは進む。

米子、くりくり、マックロファージ巡査は向かい風の中を慎重に進み始めた。その後ろ姿を好中球ジュニア兄弟はいつまでも見ていた。


つづく

喫煙、飲酒、栄養障害等により、細胞が異常な細胞に変化し、体の中に細胞のかたまりを作ることがあります。これが腫瘍です。


ヘルパーT細胞の表面には、「異物を攻撃するな」という命令を受け取るためのアンテナがあります。一方、がん細胞にもアンテナがあり、


ヘルパーT細胞のアンテナに結合して、「異物を攻撃するな」という命令を送ります。すると、ヘルパーT細胞にブレーキがかかり、がん細胞は排除されなくなります。




大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!