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良い子の日
キラー T は顎を引き、胸を張り、堂々と歩いていたが内心は忸怩たる思いがあった。
キラー T
健康そうなお嬢さんだったなぁ、
本当にこの指令は正しかったんだろうか?
けれど司令は樹状巡査部長から
ヘルパー T 司令官を経て
自分にくだされた…
間違っているはずはない!!
それに自分は胸腺大学でしごかれて、こうしてエリートとして
現場に立ってるんだから
そのことも忘れてはいけないし…
でも、気になるなぁ、
そう言えば、従兄弟のNK
元気にしてるかな?
アイツ、一匹狼なんて気取っているけど大学落ちて、国防省自然免疫部だもんな。
要するに捨て駒、特攻部隊だろ?
犬死にだよ。
俺はその点、獲得組だから規律と秩序ある組織で良かった。
俺、チキンだもん…
昔、二人でよく話したよなぁ、ずんぐりむっくり様を絶対お守りしよう!!って、目をキラキラさせて、
なんの疑問もなくさぁ、良い子二人だった…ああ、今の自分はすっかり瞳の曇った出来損ないだ。
あのお嬢さんの事だって背中から撃っちゃたし…
でも、ヤッパ、モノにはそれぞれの役割分担あるんだよ。
うん、NKなら、健康そうなお嬢さんに殺害司令が下されたらどうするか?今度、飲みの席でも設けようか?
アッ、アイツは敵が善良そうな振りをするって分からない、だから大学も落ちて、見境なく侵入者を攻撃する自然免疫部なんだ…
まぁさぁ〜、俺も自分ではなんだか分からない何かが足りないからヘルパーTみたいに司令する立場にはなれないんだよ…
それもみんなそうだよな、自分の足りないトコが分かってない。
トホホ…
マッ、俺は与えられた職務は忠実に果たしたからよしとするか…
キラーTの足取りは重かった。
つづく
大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!