帰り道

何もかもが分からなくなってしまいたかった
あなたが馬鹿だなって優しく
その実本当は嘲ることすらしてくれないような
そんな炉端のゴミクズみたいに
なれていればよかった
だって 馬鹿が 好きでしょう?
扱いやすくて

包丁を持って出て来た女の子
そう見えたけどな
どうにもあなたにはそう見えなかったみたい
価値観の違いって本当にあるんだね
扱いやすくないのは
馬鹿って言わないみたい
難しいね
難しいよ
人間のことばは難解で
未だに頭を悩ませてばかりだ

だから
何もかもが分からなくなってしまいたかった
どうしようもない世界を
どうしようもないって棄てられるような
そんなことがしてみたかった

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