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物語は終われない
首が、転がっていた。これは必要なものだ、そう思う。これがあれば殺したい相手を傷付けることが出来るし、傷付けられたからこそ殺したいのだし、これを拾うのは、正しい。正しいことだ、分かっている。でも、それだけじゃあなかった。はっと視界が元に戻る。この首があることで、誰かに生命を狙われる。そんなこと、今更だったけれど。使えない駒はさようなら、それがあの人の遣り方だ。だから、まだ、今は白痴を演じていなければならない、これはまっさらな人間でいなくてはいけない。それを思ったらひどくこの世界が残酷なように思えて、心の中でだけごめん、と兄に謝った。
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はざまに鬼
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