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理想のxxを考える vol.2 ※なおxxには任意の食べものが入るものとする

「理想のxxを考える(なおxxには任意の食べものが入ることとする)」、前回の記事だけでは尺が足りず、Vol.2。

前回は「クレープ」「おでん」「ミックスサンド」「朝食」について述べた。前回途中になっていた「お弁当」について考える。

1. 理想のお弁当

あれこれ考えた末に、結局「おにぎり・シャウエッセン・卵焼き・ミニトマト」のお弁当が自分の原点にして理想なのでは、と思う。

白米って、おにぎりにしたら美味しさが2倍になる気がするから本当に不思議だ。具はなくていい。味付け海苔が、ごはんの湿気で少ししんなりしているくらいがいい。(なんだかすごくこだわりのある鬱陶しいやつみたいだが、パリパリの海苔も混ぜ込みごはんも好きです)

そういうおにぎりが2個と、シャウエッセンが3本と、甘い卵焼きが二切れと、ミニトマトが3個くらいがちょうどいい。おにぎりでお腹をいっぱいにするのだ。シャウエッセン1.5本でおにぎり1個を食べる計算。

大人になってから、人気女優もお気に入りという有名ケータリング弁当の味や、

いいお値段がする美味しい海苔弁の味を知ったあとでさえも、

質素ともいえるお弁当が私の理想だ。子どもの頃に食べていたお弁当が原型になっている気がする。

遠足で友達といっしょに青空の下で食べるとか、夏休みに学童で他の学校の子たちと食べる緊張感とか、そういう一つ一つが一大イベントで、お弁当の味に含まれている気がする。

お金があっても、たぶん二度と買えない味なんだと思う。今、「おにぎり・シャウエッセン・卵焼き・ミニトマト」のお弁当を食べたらどんなふうに感じるのだろう。

2. 理想のオムライス

私の理想のオムライスは、薄くて少しかためのたまごで包まれたもの。トロトロのオムライスも大好きなのだけれど、もう少し硬派なオムライスが好きだ。

友達が連れて行ってくれた、赤羽のとあるお店のオムライスが最高だった。

「自由軒」という赤羽駅前に佇むその店に、友人は興味本位で入ったそうだ。それを聞いてますます友人のことが好きになった。

これは個人的な好みの話だけれど、気になった店の食べログレビューなどを調べずにとりあえず飛び込んでみる人のことが大好きだ。好奇心と、「もし自分の口に合わなくてもいい」という気持ちの余裕が感じられる。

自由軒のオムライスは懐かしいオムライスそのものだ。まだ日本にこうしたオムライスが残っていたのかと嬉しくなる。トロトロの写真映えするオムライスに駆逐されず生き残ったオムライスを前に、思わず拝みたくなる。

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中華皿に乗ったそのオムライスは、最後まで食べ飽きない味だった。バターの量もチキンライスの味の濃さもケチャップの甘酸っぱさも、すべてがちょうどいいバランス。次第にスプーンの進みがスローになることもなく完食した。

一口目で感動するほど美味しいものって、半分も食べれば満足してしまう。自由軒のオムライスは、最初の一口目から最後の一口目まで、終始おいしく食べられる。最後まで、ずっとおいしいままなのだ。だからまた食べたくなる。そういうオムライスが、私は好きだ。

3. 理想のミスタードーナッツ

みんな大好きミスド。幼い頃、父や祖母があの縦長の箱をたずさえて帰ってくると本当に嬉しかったのを今でも覚えている。ミスドは幸せを売る店だなあと思う。いつか、家族なり友人なり誰かのことを思い浮かべながらドーナツを選んで、あの縦長の箱を持ち帰ってみたいなと思う。

渡す相手が誰かによってドーナツの組み合わせは変わると思うから、ここでは「私がもらったら嬉しい組み合わせ」を考えてみることにする。

一人でミスドに行くときは、だいたいハニーチュロとゴールデンチョコレート、そしてホットコーヒーを買い、イートインで食べる。ドーナツとコーヒーってどうしてあれほど相性抜群なのだろうか。もはやドーナツは「コーヒーに合う食べ物を考えろ」という命の元に生み出されたものとしか思えない。

でも縦長の箱にハニーチュロは少し収まりが悪い気がする。ごめんよハニーチュロ、君は店内で食べることにするよ。

ゴールデンチョコレートと、エンゼルクリーム、オールドファッションは絶対に選ぶ。

もしもあなたがゴールデンチョコレートを食べたことがなければ「食ってみな、飛ぶぞ」と言いたい。そして私はマリトッツォブームを「日本には昔からエンゼルクリームがあったやないかッ……!」と若干白い目で見ている。オールドファッションはコーヒーを無限に飲める機関になる。

この最強トリオに他のドーナツを入れるのも野暮な気がしてきたけれど、でもあの縦長の箱をいっぱいにしたいという気持ちもある。6個あれば十分だろうか。

そうだ、ポンデリングも欠かせない。ポンデリングとポンデリング黒糖。この2つも大好きだった。どうして忘れていたのだろう。あのもちもちとした食感。他のお店がポンデリングもどきを作っているが、本家のポンデリングが一番おいしい。

最後の一つはエンゼルフレンチにする。フレンチクルーラーに生クリームが入っていて、チョコがかかっているあれだ。正直なところ味が特別好みなわけではないのだが、フレンチクルーラー一派の訴求力はすごい。「フレンチクルーラーに学ぶ『愛され力』」みたいなビジネス書があってもおかしくないと思う。フレンチクルーラーはすごい。

理想のミスタードーナッツを考える際、あたたかなオレンジ色の光で照らされたショーケースを自然と思い浮かべた。それだけでなんともいえない幸せな気持ちになった。やっぱりミスドは幸せを売る店だ。

🍩

2記事にわたって「理想のxx」を考えてきたわけだが、とても楽しかった。それと同時に、自分の嗜好や食の価値観に向き合う時間でもあった気がする。

書き終えたそばから「理想の点心」や「理想のキムチ鍋」も思い浮かんでしまったので、いつかvol.3を書くかもしれない。

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