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第3回「ニコニコえなチックラジオ」アーカイブ

「ニコニコえなチックラジオ」とは?

「アーティスト目線で、NFTアートを見てみよう!」

メインパーソナリティーの遠山ニコさん(https://twitter.com/Ni_koYma)とチックウィードさん(https://twitter.com/chickweed420)と、タイムキーパーのえなさん(https://twitter.com/EnaSakatuka)が、アーティスト目線でNFTやアートについて語っていくラジオです。

笑ったり、聴いたり、時々ちょっと真面目な話をしてみたり。

NFTアートの現場でリアルに感じていること、ちょっと聴いてみませんか?

第3回のテーマは「アートの見方」。

皆さんは他の人の作品を見る時、どんなところに目を惹かれますか?

Twitterスペースのアーカイブは、こちらになります。

https://twitter.com/ni_koyma/status/1552987197477126144?s=21&t=OUI-X0SU6nrymqjZD2mBlw

◆NFTアートとは?

スピーカー紹介

遠山ニコ

NFTアーティストです。
現在和風なイラスト作品をメインにしながら、荒廃した世界観も描きたいと思っています。
このラジオでみんなから刺激を受けたいです。

◆Twitter
https://twitter.com/Ni_koYma

チックウィード

生け花NFTアーティストです。
お花を使った写真作品を作っています。
お友達募集中!チッくんと気軽に呼んでね!

◆Twitter
https://twitter.com/chickweed420

遠山ニコの「アートの見方」

遠山ニコ(以下ニコ)
「まず最初は、他の人のアートを目にしたときに、自分が何を感じやすいかを語っていきたいな。

1、美術館に行ったとき
2、街中のポスターに、ふと目が行ってしまったとき

この2つの状況では、それぞれのアートに対する見方は、少し違ってくると思う。」

チックウィード(以下チック)
「確かに。

心持ちが違うように思えるよね。」

ニコ
「チッくんとも、作品のどの部分を見てアート性を感じるか、すり合わせをしたいな。

僕は、最近はNFTアートをTwitterで見ることが多い。

その時にまず最初に注目するのは、構図(構成、色使い)。

そして、その後で細かな表現が入ってくる。

画像を拡大してみる場合もある。

アーティストさんの細かな気遣いや、こだわりを知りたいからね。」

チック
「そうだね。

最初に見た時のインパクトって大事だね。」

ニコ
「僕がイラストを描くときは、日をまたいで描くことが多い。

描いた翌日に改めてみて、線や色味を変えてみるという思考錯誤をするんだ。

自分がそうしているからか、他のイラストを見た時にも構図に注目しやすいのだと思う。」

チック
「お花でも同じように、出来上がった作品をしばらく置いてから、改めて見てみるということをするね。

一度生けてみて、後で見た時に

『もっと表現を変えてみた方が良いかもしれない』

と思うことは、結構ある。

最初にお花を生けている時は、集中しすぎて視野が狭くなってしまうことがあるから。

一度間を置いた後に作品を見直すことで、得られる気づきがあると思うよ。

古典と現代アート

チック
「華道は流派がいくつかあるんだ。

他の流派の人の作品を見た時は、

『そんなやり方もあるのか』

という気づきがあるね。」

ニコ
「書道も明確に流派は分かれていないけど、北海道風、関東風など、地方によって特色が違うよ。

例えば、北海道だと、自然の荒々しさを表現することが重視されている。

一方で、関東では、線の強さを重視した作品が多い。」

チック
「絵画などの他のアートでも、師から弟子へ伝えられるうちに出来上がった『流れ』はあるよね。」

ニコ
「うん。

それを読み解くのも面白いよね!」

チック
「『現代アート』と呼ばれている最近でてきた作風であっても、今までの作品に対するカウンター(反発)で出来上がったものもある。

古典と近代的なアートの対比も、流れの一部なのかなと思うよ。」

ニコ
「古典から現代までの、アートの文脈を読み解くのも面白いね。」

チック
「ただ、流れを読み解くなら、やっぱり古典を勉強しないと難しいね。

例えば、宗教画を書きたいのであれば、その宗教の勉強をすることで表現できるものがある。

他には…華道を例に出してみようかな。

華道で松竹梅をモチーフに作品を作る際は、

歳寒三友(さいかんさんゆう)を重視する。

それを知っていれば読み解ける華道の作品もある。

一方で、現代人には古典の勉強をしていなくても楽しめるアートが受け入れられている場合も多い気がする。

僕が思う『現代アート』って言うのは…

古典や歴史の流れから生み出される作品の他に、その人の人生で培ってきたものにフォーカスした作品

ということかな。

古典や歴史の流れから生み出される作品が、伝統的なアートなのだとしたら、個人の人生の流れから生み出されるのが『現代アート』。

伝統的なアートは、事前知識があることで楽しむことができる『知的な遊び』の要素があった。

対して、今のアートは感覚的、直感的な喜び(エモい)が求められているね。」

ニコ
「今は情報社会だからね。

いろいろな価値観、作品があるなかで、

だれかに刺さればいい

ものが受け入れられる。」

チック
「それでいいのかな、という気はしてるね。

例えば、床の間の由来を知らなくても、現代人は問題なく生活できるし、アートを楽しめる。

実は、床の間の由来は、お坊さんの勉強部屋における、神仏の像を奉る場所からきているんだ。

床の間に近い場所が「上座(かみざ)」、遠いところが「下座(しもざ)」。

今ネットで調べると、床の間は『テレビを置くと便利な場所』になってる(笑)。」

ニコ
「めっちゃ実用的(笑)。」

チック
「面白いよね。

まあ、それでもいいのかもしれない。」

ニコ
「物の役割って、時代によって変わっていくものだからね。」

チックウィードの「アートの見方」

ニコ
「チッくんがTwitterのタイムラインを見ていて「いいな~」と思う作品はある?」

チック
「ええ~。

まあ、男なんか知らんけど、かわいい女の子がテーマの作品が出てたら、目をひいちゃうよね(笑)。

それ以外だと、お花がテーマになっている作品に目がいくね。

あとは、作品に特徴があるものに惹かれやすいかな。

他の人がやっていない、その人独自の雰囲気の作品があると、目を惹くかもしれない。

ただ上手いだけでなく、

作品をパッと見た時に目を惹く要素

そのアーティストさん自身の特徴がでている作品

そういう作品が気になる。

Twitterで「いいね!」が多くついている作品は、そういう傾向があると思ってる。

ニコちゃんはTwitterを見た感じだと、どんな作品が気になる?」

ニコ
「僕も、他の人が描いていない絵柄、雰囲気、画材とかに惹かれるよ。

イラストだと、ある程度線の質とかも見るけど、画材が特徴的だと気になるかも。

クレヨンで描いていたりする作品とか。」

チック
「自分が普段専門にしているものが作品に反映されていたりすると、その作品に目が行きやすいね。

職業病みたいな。

絵を専門で描いている人と、絵を描いていない人との間でも、作品を見た時に感じるものは違うのかもね。

書道の作法

ニコ
「また少し話は変わるけど、書道の学びの形と作法についても話していきたいな。

漢字は昔から今に至るまで、書体が段々と移り変わっていった。

楷書体でも、唐(昔の中国)で石碑に使うために作られた、古いものと、印刷技術が普及するときに作られた新しい楷書体(活字体)がある。

古典から楷書体を学ぶときは、新しい楷書体との違いを分かっておく必要があるんだ。」

チック
「華道の学び方とはちがうのかな?」

ニコ
書道は、漢字そのものを概念として見ている節がある。

篆書体(てんしょたい)、草書体(そうしょたい)などで、それぞれ文字の形が違う。

同じ文字だけど、書き方によって別種のものと認識されることが多いのが、書道独特の概念かもしれないね。

書体がそれぞれで確立されている。」

チック
「書道では自分の作品に名前を書くけど、書き方に決まりはある?」

ニコ
最後に書く、という決まりがあるよ。

左端に、目立たないように書くんだ。」

チック
「華道でも、自分の名前を席札(せきさつ)に書いて、最後に置くという決まりがある。

そういうところは、書道と近いのかもね。」

ニコ
「そうだね。

名前を書くという行為は、最後に作品を整えるという行為にあたるんだ。」

※アートとしての書道について、もう少し詳しい話が知りたい人は、第2回の「ニコニコえなチックラジオ」アーカイブもご覧になってみてください!

NFTにおける書道と華道

ニコ
「NFTアートにおいては、華道をどんな感じで表現していきたい?」

チック
『写真で表現できる、お花の格好良さ』を追求していきたい。

お花は立体造形だから、それまでの華道の方法で写真という『二次元』に落とし込むと、魅力が半減してしまうこともある。

作品を写真にしただけでは駄目だと思ったんだ。」

「今の時代は、みんなパソコンやスマホを持っている。

だから、お花を生ける時点で、スマホやパソコンの壁紙に最適化した作品を作ることを念頭に置いてるよ。

伝統的な方法で生けた花を、そのまま写真に撮るだけだと、NFTアートとしての格好いい作品にはならない。

写真という二次元で、いかにお花を格好よく見せることができるか?

ということを重視している。

そして、作品をきっかけに、華道にも目を向けてもらえたら嬉しいかな。」

ニコ
「実際、チックンの作品はカッコいいもんね。

何かをやろうとしているのが凄く伝わってくる。」

チック
「ありがとうございます!(照)

最終目標は、

二次元でのお花の花形を作りたい。

そこに向けて今、色々試行錯誤しています。」

ニコ
「なるほど。

立体物を二次元に持ち込んで作品に仕上げる作風も増えてきたね。

文字をAIに入力して、画像を出力するAIアートもその1つだ。

こういった作品には、新しい世界観を作る取り組みをすごく感じる。」

「ロードマップは必要か?」問題

ニコ
「最近はTwitterを利用することが多いけど、ちょっとした悩みが…。

Twitterのタイムラインって、全部のツイートを追うは結構大変だよね。

みんなどうやって管理してるんだろう?」

チック
「僕はタイムラインはあまり追えてないかも。

この前はロードマップについての意見交換が盛り上がっていたみたいだけど、ぜんぜん知らなかった。」

ニコ
ロードマップも人それぞれだよね。

より良い自分の作品を、ひたすら追い求めていく人なら、必要ないかもしれない。

一方で、コミュニティーなどでみんなで盛り上がりたいなら、ロードマップで理念を示すのもいいかもしれない。」

チック
「人それぞれだね。

作風や作り方が違うから。」

ニコ
『ロードマップがあったら楽しいよね』

という基準でやってもいいんじゃないかなと思う。」

チック
「そうだね。

僕の場合は、ロードマップ作っても、予定通りに出来ないや(笑)。」

ニコ
議論が巻き起こるのは、市場が活発である証かもしれない。

日本のNFT界隈は、今元気なのかも。」

えな
「真面目な人は、ロードマップ通りにすることにこだわって、自分を追い詰めちゃうこともあるよね。」

ニコ
「みんなもっと気楽にやったらいいんだよ。

期待に応えなきゃという焦りが出てくる気持ちはわかる。

僕もたまにそういうことがあったりするから。」

チック
「NFTだと、どうしても「お金持っている人が強い」という面は出てしまうね。

中には、そういう人たちが発した意見に、自分の軸が持っていかれるアーティストさんもいるかもしれない…。

僕は気にせず、マイペースでやるようにしてます。」

ニコ
「人とのつながりを重視することがあるクリエイターさんだと、人の意見を聞きすぎて右往左往してしまうことはあるかもしれない。」

チック
「自分の目標は、

華道の世界で、お花の新しい花形をつくる

という、NFTはあまり関係ない目標。

自分がどれだけいい作品を作れるか?

という部分を重視しているよ。

他人ではなく、自分が主体となる目標を持っているから、マイペースにやれているんじゃないかと思う。」

ニコ
「クリエイターとして、コミュニティーを運営しながらだと、ルールを作らなきゃいけなかったりと、難しい部分はあるよね。

「買ってもらいたい」となると、軸がぶれやすくなっちゃうのかもしれないね。」

今後の方針は…

今週は、「自分のアートと他者のアートに対する見方」について、遠山ニコさんと、チックウィードさんに語ってもらいました!

来週以降も、アートについてゆるゆる語っていくラジオをお送りしていきます。

毎月1回は、ゲストさんをお迎えします!

8月から、毎月1回ゲストをお呼びしてトークする予定を立てています。

アーティストさん自身や、作品について、インタビューしながら深堀していきます!

ここでしか聴けない、アーティストさんのお話を楽しみにしていてくださいね。

8月26日(金)は、Rabbitsさんをゲストにお迎え予定です。

次回の「ニコニコえなチックラジオ」もお楽しみに~!

◆第3回「ニコニコえなチックラジオ」アーカイブ

◆アーカイブまとめ


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