腫瘍マーカー上昇について

腫瘍マーカーを人間ドックなどで測ると、たまに異常値になることがあります。
異常値になると、軽度であればもう一度測ってそれでも高ければ、癌の疑いで全身検索することになります。十分高ければ、すぐに全身検索することになります。

マーカーの種類にもよりますが、
全身検索とは、血液検査、画像検査、内視鏡検査なんかをやってがんを探しにいきます。

でも癌が見つからないことも多いです。
その場合は経過観察になることが多いようです。

ちなみに、人間ドックでは「癌がわかります」とか謳っていますが、原則として健常者に腫瘍マーカーは測ってはいけません。

癌が見つからないままなのに、腫瘍マーカーだけどんどん上がってくる人がいます。
指を咥えて見ているわけにはいかないので、さらに検査をしますが、それでも見つかりません。

で、ある時、もういきなりステージ4で全身転移しているというケースです。
検査で見つからないくらい小さいのに腫瘍マーカーだけ上がっていて、
検査で見つかるフェーズまでとてもペースが早いので、検査を頻回にやっても、見つけることはできません。

特に研究データがあるわけではないですが、このケースは経験上知られています。昔、僕の上司も教えてくれましたし、僕自身も経験しました。
消化管の癌のマーカーがどんどん上がっていった→内視鏡をしても何もない→次に検査したら肝臓に転移していた
などのケースです。

「早期発見、早期治療」でうまくいくと思っていると、敵はあらゆる検査を掻い潜って、狡猾な戦略をとってきます。

万人に当てはまって、何もかもわかる魔法の技術は今のところないです。