意思を持つ生き物のように振る舞う病気

普通に学校を卒業して、結婚して、子供を授かった後、
突然おかしくなってくる病気があります。

で、調べると、子供もその病気にかかっていると言われる、
ある種の遺伝の病気です

その狡猾さは、さながら生き物のようです。

歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症という脳の病気があります。
小児で発症する場合も、成人して発症する場合もありますが、基本的にアジア系に多い遺伝病です。治りません。
http://grj.umin.jp/grj/drpla.htm#:~:text=疾患の特徴-,歯状核赤核・淡蒼球ルイ体,は発症年齢により異なる%EF%BC%8E

僕が知っている患者さんは、40代で発症しました。
症例報告を見ても、40代が目につきますね。

普通に仕事して、結婚されて、子供を授かった後、
歩容変化(歩行パターンがおかしくなること)、性格変化、認知機能低下が起こり、検査をされて診断されたとのことです。

お子さんも、てんかんがあり、どうやら遺伝しているようです。

実はご本人の親族も何人か同じ病気だったらしいです。

ここからは失礼を承知で、僕の想像を語ります。

親族の遺伝病について、配偶者に伝えていたかどうかはわかりません。
それでも、結婚したってことは、少なくとも当時は配偶者は、本人を伴侶として相応しいと思っていたってことですよね。

子供ができたってことは、傍目には、そこまで夫婦生活に大きな問題があったように見えません。

つまり、前触れがなかった、気づかなかった可能性はあります。

しかし、物心ついた時には、親族は少なくとも発症していました。
従って、ご本人は、自分の運命を薄々知っていたんじゃないでしょうか。

もちろん、成人するまでなんともなかったのなら、大丈夫だと思ったのかもしれませんが。

自分の運命が決まっていたとしても、真っ当な人生を送りたかったのではないでしょうか。

そうなると、この病気は、そんな人につけ込む悪意を持った生き物に僕には見えます。

子供を授かった後に発症し、遺伝子を残していく、

ある意味自然が作り出した巧妙なシステムですが、なんか吐き気がします。

僕らの一つの命なんか知ったこっちゃないというわけです。