『歩く地図』だった少年が運命の会社に出会うまで #社員インタビュー
ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)新卒採用担当です。
本記事では、日本交通で働く社員の素顔に迫ったインタビューを掲載しています。今回のインタビュー相手は、19年入社の荻島さん。小さいころは地図帳ばかり読んでいたという彼が見つけた天職とは?
※この記事はもともと、日本交通新卒採用noteで連載されている「noteで社員訪問」シリーズの一環として取材されました。荻島さんは2024年5月15日をもって、新卒採用チームから板橋営業所乗務員へと異動になりましたので「社員訪問」ではなく「社員インタビュー」としての掲載に切り替えております。(編集:2024.7.9)
荻島 章太 【2019年入社、乗務員経験:1年半】
学生時代のこと
小学生の時は活字が苦手で、読書ができない子でした。よく小学校に読書タイムってあるじゃないですか。その時間も私は地図を見ていました。道路地図が好きで、両親に旅行に連れて行ってもらっているときには、頭の中で今通ってる場所はどこなのか、いつも妄想していました。
ゲームや漫画には興味のない変な子でしたね。地図を広げて廊下を歩いていたので「歩く地図」と呼ばれていました。興味が日本地理から世界地理に広がっていき、地理という科目そのものに興味がわいてきて、大学は地理学科に進学、卒論では高速道路の研究をしました。
日本交通を知ったきっかけ
就活の軸が2つありました。1つ目は「公共交通機関で働きたい」。地理を勉強していたのもあるし、社会に与える影響の大きさに魅力を感じました。2つ目は「コミュニケーションが取れること」。人が好きで話すのも好きなので、お客様と深くお話しできる仕事がよかったです。
当初タクシー業界は見るつもりではありませんでした。見ていたのは鉄道とバス会社が中心。あるとき合説で出展している企業一覧の中に「日本交通」を見つけました。「交通」という名前が気になり、ブースに足を運ぶことにしたんです。
最初の印象は「タクシー会社って新卒取ってるの?」でした。タクシーっておじさんがやっているイメージだったので。それに加えて、私はそれまで、長年働いていないと大きく社会に貢献することはできないと思い込んでいました。でも、今自分の目の前で生き生きと働いているのは若い人。若い社員が熱くタクシーの未来について語っている。それを見て、自分の価値観がぶっ壊されました。未来のある会社だなという印象でしたね。
志望動機
今思うと少し生意気ですけど「タクシーの常識を一緒に壊していきたいです」と伝えさせていただきました。あと、私はスポーツが好きで五輪を楽しみにしていたので、東京オリンピックを交通で支えたいという話もしました。
就活での苦悩
鉄道系の会社に3社連続で落ちたのはつらかったです。それも最初の書類選考で落ちてしまって。話も聞いてくれないのか、話だけでも聞いてくれよ……という感情でした。当時は人格が否定されていると感じ、何してもだめだなと落ち込んでいました。今思うと勘違いなんですけどね。人事になった今、選考で落とすのは人格否定してるわけじゃないと学生さんには言うようにしています。
日本交通の選考
他の企業を受けていた時に、日本交通って深く自分を知ろうとしてくれたんだなと感じました。近い距離で話聞いてくれたなと。空気をピリつかせてプレッシャーを与える会社さんもあったけど、日本交通では本来の自分を表現しやすかったですね。
最終面接の日のことは今でも忘れません。2018年は平昌オリンピックの年で、私が就活を始めた時期と被っていたんです。そのテーマソングがSEKAI NO OWARIさんの『サザンカ』という曲で、ずっとTVで流れていました。その曲を聴くと、冬のアスリートを思い出して涙が出るくらい好きな曲です。
最終面接の日は平昌オリンピックが終わったころでした。麹町駅の2番出口を出て、松乃屋の角を曲がった坂道の正面に日本交通の本社が見える。その時、坂の上で『サザンカ』を聴いて「羽生くんも金メダル取ったし……次は俺の番だ」と身を奮い立たせました。目の前のあの坂がジャンプ台に見えましたね。まるまる1曲立ち止まって聞いていました。それから気持ちを切り替え、無事に内定を頂くことができました。
なぜ日本交通に?
どの会社にするか。迷ったとき、交通地理学的に考えてみたんですよね。例えば鉄道・バスは大量輸送・効率重視でその分運賃安いのが特徴。ただ、時刻表もあるし走る路線も決まっている。時間と場所が限定される。
一方でタクシーは個別ニーズに応えるもの。運賃は高くても、その分時間は関係ない。鉄道バスで賄えない時間と場所をすべて担えるのがタクシー。公共交通機関最後の砦と言われていて、果てしない可能性がある。
もう一個は、自分が人と接したいと思っていたこと。一組のお客様に対して、電車とバスは時間をかけられない。でもタクシーであれば、自分の裁量でお客様の満足度を0%にも100%にもできる。公共交通機関の中で一番接客業に寄っている。その中でも一番新しいことをやっていて業界No.1なのは日本交通だと考え、ここに決めました。
入社前の不安
運転はペーパーではなかったですが、東京の地理の複雑さに対する不安はありました。でもSKC(日本交通の総合研修センター)で大橋センター長が言ってくださった「覚悟を持てば怖くない」という言葉を聞いてから、頑張ろうとスイッチが入りました。
辞めたいなと思ったことはありません。新卒採用に異動してきて、最初のころはPCがわからないとかビジネススキルがないとか、苦戦してたことはありましたが、辞めたいと思ったことはないですね。
挫折
挫折……乗務員のときは皆最初に味わうことかと思います。自分は地図が好きで、運転もそこそこ好きで、自分が交通インフラを支えるんだという意気込みで入ったのに、初日に道を間違えて怒られてしまいました。「こんな道もわからないならやめてしまえ」と。
なんて無力なんだろう。自分って何もできないじゃん。営業所に帰ったら班長や指導担当の方が、「最初は分からなくて当たり前だよ」と優しく慰めてくれました。今思うと簡単な道だったんですけど。でも、だからこそその道は忘れられず、その道から東京の地理を覚えていきました。今では感謝しています。お客様に育てていただきました。
仕事のやりがい
究極は、学生さんが日本交通で働くことを決意してくれた時です。この仕事は学生さんに日本交通の魅力を伝えること。それを、この会社に丸2年ちょっとしかいない自分がやらせてもらっている。新卒採用にかかる期待がすごく高いことを実感します。若手から採用や広報として魅力を発信している。これが2年目や3年目でできてるのがすごいことだと思います。大きく見てすべてがやりがいです。
また、今ではNTA(Nikko Taxi Academy=日本交通の新卒向け地理勉強会)を担っています。学生さんに地理勉強を教えているのは、ずっとやりたいと思っていたことの一つ。今、結果的にやりたいことができているのが嬉しいです。
荻島にとって”仕事”とは
「人生を豊かにしてくれるもの」です。
この部署に異動した当初、PCがなかなかできずに22時、23時まで残業したときがあります。大変だなと思ってました。でも特急に乗りながら趣味のルービックキューブをしている時ふと思ったんです。この仕事で「大変だな」と思う感情や、仕事で出会った人、そんな毎日が自分の人生からなくなったらつまらないだろうな、と。
これは乗務員の時にも思っていたことです。大変なことがあるのは社会人も学生も同じ。それは乗り越えてのことだと思うんです。その当時はふと思ったんですが。日本交通で仕事するってそういうことなんじゃないかな。
学生さんにメッセージ
ストレスコントロールをしてください。周りの友人が内定出ると焦りますよね。でも他の人は関係ないです。焦って何社も受けてしまいがちですが、1個1個しっかり会社を見るという当たり前のことをしていく中で、1日くらい休んだって何も変わりません。定期的に就活を忘れて好きなことをして、リフレッシュする時間を作ってもいいと思います。
ストレスはなくそうと思えば辛いですが、ストレスとうまく付き合っていけば長期的に頑張れます。その時はYouTubeでも見てください。日本交通のYouTubeじゃなくてもいいですから。
これは自分の経験でもあります。気を張りすぎると疲れてしまうので。
(2024.7 追記)2024年5月から、ご本人の希望により乗務員へとキャリアチェンジした荻島さん。入社時に配属された古巣の営業所へ再配属され、乗務員として頭角を現し、今は班長業務に従事されているそうです(早い!)。
いつか営業所で活躍する荻島さんにインタビューできる日を楽しみにしています!
Text:飛田
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