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アジアのEdTechに白目をむく日本のお母さん

いま、令和ですよ…?

私の息子は公立小学校に通っています。
入学から何度も、「嘘でしょ?昭和かよ!」と全力でツッコミをいれたくなることがありました。

2020年の一斉休校のときもオンラインの「オ」の字もでてこない。
月に2回、大量の紙の宿題を親が指定されたタイミングで取りに行き、提出するという3ヶ月間でした。

学校が再開しても、発熱などで休むときの欠席連絡は
「連絡帳に書いてお友達に渡して先生に手渡ししてください」方式。

せ、接触感染…て知ってますか…!!

便利ツール大好き人間としては血の気が引くレベルの非効率さ。
これが令和の日本の公教育なんです。(※個人の体験談です)

 海外のEdTech事情に驚愕する

そんなわけで時々EdTech情報を調べて「あぁこんなところもあるんだ、うらやましいなぁ〜」とうっとりしていたんです。

で、見つけたこんな記事

https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr382-20210128-eithandarwin.html

中国、インド、シンガポール、ベトナムの4つの事例が紹介されているんですが心底驚愕しました。。。。

結構長い文章なので、雑な解釈で要約します。

中国:超学歴社会+AI

超優秀な講師陣をもつライブ家庭教師プラットフォームを運営する企業の紹介。
当プラットフォームは中国の小中学校オンラインコースで利用されていて、個人のレベルや特性に合わせパーソナライズされたコンテンツを配信。英語アプリや問題集データベース等も運営しているとか。

補足でこの辺も参考にしましたhttps://spc.jst.go.jp/experiences/education/education_2006.html

インド:教育格差を是正するEdTech

社会的背景から教育格差が大きいインドでは、格差を解消するためにEdTechスタートアップが多く出現。
2025年までに教育を十分受けることができない2億5千万人の子供に教育を届ける」というスタートアップの目標が熱い。
パーソナライズされたオンライン家庭教師プログラムや学習アプリ。
アプリは使えるけど学校には通えない社会って日本では想像できない…

シンガポール:暗記学習からの脱却、一歩先行ってる…

日本含むアジアの教育方法の中心にあるのは暗記教育。これを覆すEdTechが登場している。
子供の思考スキルと問題解決スキルの構築に注力したプログラムを展開。
当然のようにこちらも個人の実力によってパーソナライズされたコンテンツ配信とフィードバックを行っているそうです…パーソナライズ3回目です。

ベトナム:教育新興国、大人の学び直しにも

近年教育に力を入れているベトナム。
Microsoftとベトナム政府のEラーニングインフラ開発プロジェクトがきっかけでできたEdTech企業が急拡大し、周辺国にも展開している。
オンライン授業は子供だけでなく成人向けのビジネス講座など幅広いコンテンツをもつ。
アジア全体の教育不足問題を解決すると期待されている。

日本はなんでこんなダメなのか

書いててなんだかとっても落ち込んでしまいます。
日本が、黒板に字を書いて、プリントを配って、連絡帳で欠席連絡してってのを何十年も変わらず続けている中で
世界はガンガン進んでいる。。。

あまり自分の住む国をダメといいたくないけどこれはダメだろうと流石に思います。

なぜなのか?

原因の1つ目は、アナログ時代に堅牢なシステムが出来上がってしまったから

もともと日本はとても教育に力を入れていて、すべての子に同じ学びを与えられるように頑張って今の仕組みを作ったんです。
ランドセルしかり、家庭訪問しかり。
軍隊教育と揶揄される教育の仕組みですが、システムとしてとても堅牢で、80−90年代はむしろ世界中が日本の教育をお手本にしようとしていました。

しかし、その石頭のような堅牢さが仇となって時代の変化に対応できない、変化できない仕組みになっている。

もうひとつの原因は、変わらなくてもよかったから

元も子もないんですが、これまでの日本は他のアジア諸国のような教育格差が少なかったんです。
もちろん私立と公立の差などゼロではありませんが、インドのように学校に行けない子どもたちがたくさんいるわけでもない。
社会問題としての影響がちいさかったので、課題意識が薄かった。

また日本の公教育が、個々の能力を伸ばすことより全員を標準レベルに合わせることを重要視していたので、格差が生まれにくかったのもあります。その弊害として、没個性や能力が高い人の満足度の低さ、塾の台頭などがありますが、これはまた別の話。

一方で新興国のEdTechの多くは、教育資源の不足という課題を解決することを目標にしています。
学校に通えない、一定以上の教育を受けられない子どもたちがいる現実。オンライン授業やパーソナライズな教育はその解決策として生まれたものです。どこにいても、貧しくても、レベルがバラバラでも等しく教育を提供できるように。
機会の平等というやつです。

でも日本はそうではなかった。ほとんどの子が学校に通ってくれるしそれなりに勉強してそれなりの子になってくれる。
結果がそれなりに平等であればそれならいいじゃん。

という発想です。

たしかにそうかもしれません。
それでよかったんです、いままでは。

コロナの一斉休校で社会の多くの弊害が明らかになりました。
公教育も例外ではありません。

親が裕福で私立の学校に通っている子はオンラインで学びを続けられる。
一方で給食がなければまともにご飯を食べられない子もいる。
そんな現実が明らかになってきました。

それなりの結果平等を維持できないほど日本の格差は広がってきている。
今まで見ないふりをしていただけで、学校に通えない子はたくさんいるし、落ちこぼれも吹きこぼれもたくさんいる。

そんな状況でも旧式の堅牢な教育システムを崩せずに、現状維持を決め込んできた。
結果としてコロナ休校では子どもたちを3ヶ月も放置し、遅れを取り戻すために現場の先生たちを消耗させることになってしまった。

教育の主体であるはずの子どもたちと先生が一番しんどい思いをしているように感じます。(親もしんどいけど!)

とはいえ息子の学校でも遅ればせながらICT環境の整備が進みつつあります。
コロナのおかげで数年、数十年分は早まったんじゃないでしょうか。。

それでもまだ旧式システムを根本から変えられずにいます。
部分的に改修してお茶を濁そうとしている。
おそらくオンライン授業も先生たちの自助努力で作る残念な授業配信になるでしょう。(先生の批判ではなく、先生に負荷を負わせるシステムを批判しています)

世界に何周遅れになってるんだろうと思うと絶望しますが、一人の親として現実を見たときに根本的な解決は難しいだろうなと思います。

だって根本的に変えるなら、一回システムを壊さなきゃいけない。
先生や政治家だけでなく、私を含む今の大人達が「自分たちの受けてきた教育」を全否定するくらいの。
抵抗勢力の大きさを考えると…しんどいです。

広島の教育委員会や、麹町小学校など、公教育において革新を起こしている事例もあります。
全力で応援したいし、支持しています。

でも、日本中が変革するにはまだ時間と覚悟が必要でしょう。残念ながら。

堅牢すぎる古臭いシステムには期待せず、せめて自分の子供には新しい教育機会を与えてやりたいなぁ、と最新EdTech事情を追いかけるだけです。
あと、日本のEdTech企業の応援も。

機会があったら日本のEdTechも書きます。


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