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ド素人、鶏の手を借りる

庭には5羽鶏がいる。

普段はある程度動き回れる小屋で飼っているのだけれど、私やニッコリ代表が外で作業をしている間などには、野生の鳥と接触しないよう配慮しつつ、自由に動き回らせている。

今朝も、私が相変わらずよいしょよいしょと畑を鍬で掘り返している間、鶏たちは自由の身だった。ヒヨコの頃から一緒なためか、この5羽はなんだか仲が良く、いつも団体行動をとっている。不思議と、敷地からは出ていこうとしない。

ここ数日でまた雑草がぼうぼうに生えてきた畑を、必死で掘り返している傍らで、ちょこちょことやってきた鶏が、ツンツンと雑草をつまみ食いしていく。猫の手も借りたいとは思うけれど、まさか鶏の手を借りることになるとは。鶏には手がないのに。

よいしょよいしょ。ツンツン。よいしょよいしょ。ツンツン。

ド素人が独りぼっちで、そこそこに広い畑を掘り返していると、そこはかとなく寂しい気持ちになることもあるけれど、今日はなんとなく心強い。

通りかかったご近所のご夫婦さんが、「鶏五羽もいるんだ。綺麗な色だね」「前はよく、鴉が狙ってたから心配してたんだけど。大きくなったんだね」と、声をかけてくれた。

今朝は、二歳児と四歳児のスタッフが、たんまりと餌をあげていた。「大きくなったね」と嬉しそうなちびっこは、卵を産むのが楽しみなようで「何時頃産むのかなぁ」と尋ねてくる。

そんなちびっこたちのお世話が、こうして身になっていて。そして、少し離れた場所からそっと気にかけてくれている人たちがいて。

「ありがとうございます」と、ご近所さんと別れる。一時間半程の作業で、心も体も解れた感じがした。

大きくなってきたトマトやナス、キュウリを剪定しつつ、支えに括り付ける。トマトの太目の茎をうっかり切り落としてしまい、がっかりする。

じゃがいもの葉っぱはどんどん大きくなっているけれど、二株だけ小さいまま。首を傾げて、ぬかでも撒いてみようかと考える。

植え始めはくったりしていたサツマイモの茎は、今は雑草たちと一緒にピンピンしている。秋にはサツマイモ掘りができるだろうから、ちびっこったちが喜ぶし、イベントにもできるかもしれない。

ド素人なりに一喜一憂しつつ、小さな農場はもうすぐ梅雨を迎える。

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