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【本紙調査】首都圏信金、広がる中途採用 前職の経験生かし活躍


城西大学の学生に自身の経験を踏まえてアドバイスする元高校教諭で飯能信金の宮島主任(右、6月13日、城西大坂戸キャンパス)

「地域に寄り添った仕事がしたかったので、今の仕事に転職しました」――。笑顔で語るのは、西武信用金庫武蔵境支店で渉外係を務める樋口恵里須さん(32)。2023年4月に入庫し、第一線で活躍中だ。人材不足の今、信金でも中途採用で働く職員の存在感が増している。今回、首都圏信金の人事担当者へアンケートを実施して中途採用の現状や課題、取り組みを聞いた。

調査概要:首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)に本店を置く40信用金庫へアンケートを実施した。中途採用比率や中途採用者の前職、募集した人材や期間、実施研修などに関する現状や課題を調査。28信金から回答を得た。

8割以上が「実施」と回答

中途採用は、首都圏の信金で一般的な人材確保のルートとなりつつある。28信金中24信金と8割以上が実施と回答。中途採用比率も上昇傾向にあり、13信金が前年度より比率が高かった。23年度の比率は最高で33%。次いで昭和信金が29%だった。未実施の信金でも、「将来的には検討する必要がある」「今後、中途採用への積極的な投資も必要だと感じる」と回答。新卒一括採

用だけでは人材の確保が不十分であるという現状が反映された。

なかでも多いのは、金融機関経験者の採用だ。中途採用者の前職で最多が「信用金庫」、次いで「その他金融機関」。埼玉県信用金庫は、中途採用は即戦力と位置付けており、「金融機関実務経験3年以上」が募集条件と定めている。小松川信用金庫では支店長経験者が現役支店長として活躍中。亀有信用金庫も信金経験者が融資役席として勤務するなど「即戦力」のニーズは高い。

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