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肥後銀、「ブルーカーボン生態系」保全 クレジットの地産地消へ


肥後銀行は、海藻などによって二酸化炭素(CO2)を吸収する沿岸域「ブルーカーボン生態系」の保全に協力する。2024年度に、熊本県内3カ所を対象に実証事業をする。海藻や海草が繁茂する藻場の再生を目的に、専門家を派遣し助言する。将来的に地元関係者が自力でブルーカーボンクレジットの申請をして、同行の取引先企業に購入してもらうことを目指す。国の自然共生サイト制度も活用し、保全活動を地域全体に広げる計画だ。

肥後銀は今回、熊本県内2市1町で実証事業をする。県南部に位置する芦北町の沿岸で、熊本県立芦北高校が取り組む藻場の保全や再生に協力する。具体的には鹿島技術研究所の研究員を派遣し、海草「アマモ」の種の保存や育苗などの技術を助言する。

このエリアからブルーカーボンクレジットの申請ができるように、アマモが繁茂する面積や生育状況の測定手法も伝える。作業に必要な空中、水中の各ドローンの操作方法を教える。肥後銀の岡本光之理事は「専門コンサルティング会社へ依頼すると費用が高額になるため、地元の人たちで申請できる体制を作りたい」と話す。クレジットを同行が取引先へ販売仲介し、得た資金を芦北高の活動費などに充てる。

将来的に、対象エリアを自然共生サイトに認定してもらうことも目指す。「民間の取り組みで生物多様性の保全が図られている区域」として国のお墨付きを得ることで、地域に活動の輪を広げる。

肥後銀の大野隆地域振興部長は「地元の自然資本を活用して、地域内で資金循環する仕組みを作りたい。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に沿う活動でもあり、本・支店が一体となって取り組む」と語った。


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