映画『マイ・ブロークン・マリコ』を鑑賞して

　『死にたい　朝まだ目覚ましかけて　明日まで生きている』

　主題歌　Theピーズ　「生きのばし」の歌い出しで、大好きなバンドの大好きな歌です。

　「生きのばし」を映画館で聴きたいが為だけに、どんな映画なのか前情報なしで鑑賞してまいりました。監督の方いわく、生きのばしがこの映画にピッタリとのこと。

　あらすじはブラック企業に勤める主人公シイノ。そんな彼女の唯一の親友、心が壊れていたマリコの自殺。父親からひどい虐待を長年受けていたマリコ。そんな彼女の遺骨を父親から奪い、会社もなにもかも、すっぽかしてマリコの遺骨と共に海を見に行く物語。

　　シイノはヤンキーっぽくて割とめちゃくちゃなことをするタイプ。鑑賞中ずっとシイノの目的がいまいちよくわからなかったので「なぜに生きばしがピッタリなんだろう。マリコはもう死んでしまっているしなぁ」と思っていましたが、終盤になってシイノの目的がわかった気がしました。

　紆余曲折あって結局、一人暮らしのアパートへ戻ってきたシイノ。「恥ずかしながら戻ってまいりました」と一言。

　なるほど、シイノはマリコの遺骨と一緒に死に場所を探していたのかも。もう戻ってくるつもりがなかったから割とめちゃくちゃやってたのか。戻ってくるつもりがなったから「恥ずかしながら戻ってまいりました」なのか！

　結局シイノはまた日常へと戻っていきます。そんなシイノに手紙好きだったマリコから最後の手紙が届きます。内容が語られることはなかったですがきっとそこには「死」ではなく「生」のメッセージがつづられていたんじゃないかな、と思うのでした。

　『死にたい　朝まだ目覚ましかけて　明日まで生きている』

　『くたばる自由に生きのばす自由』

　『あの日あの空拝めるのはあの日の僕らだけ　せいぜい生きのびてくれ』

「生きのばし」この映画にピッタリでした！