見出し画像

「中国語を学ぶ」ということ

きっかけは「大学進学」から

大学というのは高校までとは違い、様々なことを学べる場所であり、語学もそのうちのひとつ。今まで英語しか勉強してこなかったのに、大学に入ると第二外国語として英語以外の語学を学んだという人も多いと思います。

私が進学した大学のコースは少し特殊で第二外国語が設定されていませんでした。学べる外国語は英語と中国語のみで、外国語の授業の単位取得は必須ではありませんでした(この辺については機会があれば後日書くかも知れません)。

私は元来、漢字が好きな少年でした。漢字には一つひとつに意味があり、日本で日常的に用いられている常用漢字は約2000字あります。また日本の地名や人名等の読み方も様々あり、例えば「小豆(あずき)」や「山車(だし)」等はそれぞれの漢字の読みからは想像出来ない読み方をします。

私は漢字への興味も相俟って、高校3年生の時に漢字検定2級を受験しました。合格したのですが、その経験と元々英語が苦手だったという事もあって、大学1回生(回生という言い方で関西の大学だという事が分かりますね)の履修科目設定時に中国語の授業を見つけた時に「勉強してみたいな」という気持ちが芽生えました。

私が知る限りで日本在住者で中国語を学ぶきっかけで多いのは「留学」と「駐在」です。これ以外で興味を持って勉強している人は、私は殆ど知りません。直接中国のモノやコトに触れない限りはそもそも学ぼうというきっかけもないのではと思います。なので、私のような人はそもそも少数派かと思います。

甘くない中国語の授業

1回生前期の中国語の授業。最初は私含めて10人くらい学生が受けていたのですが、徐々に来なくなる人が現れ始めて、前期の最後の方は3人だけになりました。理由は簡単で、学ぶのが難しいからです。

我々日本人(おそらくこれを読んでる方々はほぼほぼ日本人だと思うのですが)は漢字を知っているため、他の国の中国語学習者よりも有利な状況で学習をスタートすることが出来ます。しかしこれが落とし穴で、言語というのは「音」ありきなのです。日本語と中国語は確かに同じ意味の単語はたくさんあります。しかし音が全然違うのです。例えば「diàn huà」と音だけだと「?」となると思いますが、「電話」と書くと「あー、電話ね」となります。そしてそれは中国人も同じです。

私が受けた授業ではまず自分の名前を中国語で言えるようにするため、先生が自分の名前の中国語の読みを教えてくれます。そこで躓いて来なくなる生徒が数名いました。

コツは基本をしっかりと、ひたすら訓練する

当時の私は中国語という言語に惚れていたのだと思います。先生の言うことを忠実に守り、基礎の基礎を徹底的に訓練しました。言語は「音」だということ、中国語は特に音が重要だということ、家に帰って先生に借りたテープ(当時はネットも今ほど発展してなくて、当然SNS等もなかった)を聴いて、何度も練習しました。それがただただ楽しい日々でした。

語学学習だけに限りませんが、人間基礎がしっかりと出来上がっていると、たとえ何年も勉強してなかったとしても、また勉強することで思い出して来ます。かく言う私もこの20数年間で、何度も勉強してない期間がありました。でも、また元に戻れるのは基礎がしっかりしているからです。

決して甘くはない中国語の勉強。しかし、何でもそうですが出来なかったことが出来るようになると嬉しいものです。高校生までは、全く分からなかった中国語が、今では(今も実は全然ですが)まあまあそれなりに聞き取って理解出来るようになりました。

中国語学習はゴールではない

中国語というのは本当に奥が深くて学べば学ぶほど沼にハマります。政治や歴史だけを見ると決して明るいとは言えませんが、文化や人間個々人を見ると、決してそうでもなく語学以外に学べることがたくさんあると思います。

中国語の学習がその先にある学びの一助になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?