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COVID-19 新型コロナウィルス関連

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#アフターコロナ

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア④「オフィス×あえて作らない」

社会ストックをどう活かす?高根澤 武 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ アソシエイト 「働き方の変化」と「地域の実態」COVID-19の蔓延で「働く場所」の概念が一変しました。ワーカーが都市の中心部へ集中するという従来の考え方から、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務など、場所を限定しない柔軟な考え方に変わりました。この変化は、プライベートを含めた個人のライフスタイルを見つめ直すきっかけとなり、より住環境の良い「地方」への移住を希望する人が増えて

日建設計・設備フォーラムから生まれたアイデア①「学校×After/with COVID-19」

ウイズ・アフターコロナの学校に求められる機能は?海上 亜耶  日建設計 エンジニアリング部門 環境デザインスタジオ アソシエイト・アーキテクト 子どもの世界はどう広がってゆくか子どもにとって属性の最小単位は家庭であり、そこから学校へ、さらには街へ…私たちは無意識に子どもの世界の広がりを一方向的にしか捉えていなかったかもしれません。子どもたちの「ソト」の世界が一時的に閉ざされたCOVID-19という災禍と急激なICT化を経験し、どのように世界を広げて豊かな体験を育んでいけるの

~日建設備の提案力~ 設備フォーラムから生まれたアイディア

中尾 理沙 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 日建設備メンバーによる設備フォーラム設備フォーラムは、日建設計エンジニアリング部門設備設計グループで20年以上行われてきた社内限定イベントです。 年3~4回行われ、毎回テーマに沿ってプロジェクト紹介やディスカッション、ワークショップを行ってきました。フォーラムにより最新のプロジェクトを共有したり、意見交換を行うことで、設計技術の向上とともに設備設計メンバーの交流の場ともなっています。 ID200クリエイティブの

環境設計のための最強のネタ本 『建築の環境価値BOOK』⑥ ~実プロジェクト紹介「成城学園初等学校」~

中川 沙知子 日建設計 設計部門  アソシエイト 「次の100年」を支える新校舎成城学園初等学校は仙川沿いの閑静な住宅街にあります。都心には珍しい豊かな緑と起伏に富んだ地形は、昔から初等学校の子供たちにとって恰好の遊び場であり、「自然と親しむ教育」を学園理念とする教育方針に則った理想的な学び場として親しまれてきました。  2017年に創立100周年を迎え、『次の100年』に向けて舵を切るため、時代に沿った新たなカリキュラムを具現化する上で、この「自然と親しむ」伸び伸びとした

エネルギー自立型建築からカーボンニュートラルへ

丹羽 英治 日建設計総合研究所 フェロー 2050年カーボンニュートラル社会実現に向けての取り組み 「エネルギー自立型建築」とZEB 日建設計総合研究所では、2013年10月に、NSRI選書の第1弾として、拙著『エネルギー自立型建築』(工作舎)を刊行しました。「エネルギー自立型建築」とは、徹底した省エネルギーと太陽光等の再生可能エネルギーの積極的な活用によって、建築物のエネルギー消費量をネットでゼロにするメソッドを体系化したものです。本書では、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギ

環境設計のための最強のネタ本 『建築の環境価値BOOK』① 一般公開はじめました!

堤 遼 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 『建築の環境価値BOOK』 一般公開はじめました! 日建グループ社内向けに制作した『建築の環境価値BOOK』を7月7日より一般公開しました。7月から9月にかけて、3回に分けて配信します。 本書は、建築の環境価値に関するエビデンスを分類・整理し、日建設計が関わったプロジェクトの具体例も示しながら、わかりやすくまとめたものになります。建築関係の方はもちろん、環境価値に関心をお持ちの方にもご一読頂ければ幸いです。 建築の環境価値とは

天気がいい日に行きたいオフィス

青柳 光、稲本 佳奈 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ はじめに ~ウィズコロナの一年間~ コロナウイルス感染拡大対策の一環としてリモートワークが定着し、働く場所を選べる環境がこの一年で整いました。アフターコロナの日常では、毎朝気軽にその日の働く場所を決める人も増えるのではないでしょうか。在宅勤務でも働くことができるという実感を手にした世の中で、オフィスに行く理由とは何でしょうか。 例えば、「今日は天気もいいし、いいアイデアが生まれそう!そうだ、オフィスに

Beyond COVID-19、nextコロナを見据えて ~医療福祉施設の設計技術を一般建築に~

國吉 敬司、片岡 えり 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 新型コロナの第三波の中、この原稿を書いている現在、10都府県に緊急事態宣言の延長が発令されています。飲食店を中心とした営業時間制限や不要不急の外出自粛の要請、テレワークのさらなる実施など、生活スタイルに大きな影響を及ぼしています。 これまで事務所ビルなど一般建築において、地震・水害といった自然災害に対するBCP(事業継続計画)は認知されており、建築計画にもそれらを取り込んだ設計が求められていましたが、

ポストコロナにおける都市・地域の展望

都市・地域に求められる変革、これからの社会デザイン 〜両社ワーキングメンバーによる研究と提言〜2021年2月18日、日建設計とパシフィックコンサルタンツは共催イベント「ポストコロナにおける都市・地域の展望」を開催しました。 渋谷駅周辺など東京都心部の「駅まち一体開発(TOD)」で、都市が抱える課題解決に共に従事してきた2社が、「都市・地域に求められる変革、これからの社会デザイン」と題し、研究と提言を行いました。これは、両社の若手・中堅社員がポストコロナの都市像について昨年夏に

設計図通りに建築をつくるために・・・ ~ 現場段階での監理業務マップの活用 ~

川西 昭一郎  日建設計 エンジニアリング部門 監理グループ ダイレクター Construction Site(建設現場)の過去~現在 江戸時代、城や神社仏閣は、大工頭・大工棟梁が建築指図をもとに多数の職人を統轄し、400年後の現在も実存する建築物を造っていました。その手法は、建築指図に「起こし絵図」や「建地割図」(現代で言う施工図のようなもの)、1/10程度の模型なども使い、参画している人々のモノづくりの意志を統一していました。なかでも、幕府の京都大工頭であった中井大和守

コンピュテーショナル技術でオープンエアかつ多様な環境のオフィスを実現する

原田 尚侑 日建設計 設備設計グループ 環境デザインスタジオ・CEEL 環境エンジニア 日建設計では様々なチームがコンピュテーショナルツールを扱っていますが、その一つにCEEL(Computational Environmental Engineering Lab)というチームがあるのをご存じでしょうか。 CEELは、風・熱・光・音・エネルギーなどに関する建築の環境要素を読み解くプロが集う環境デザインスタジオというグループに所属しており、環境コンピュテーショナルツールを扱っ

つな木 Challenge2 ― 医療×つな木 ―

石澤 英之 日建設計 Nikken Wood Lab プロジェクトデザイナー 私たちNikken Wood Lab(以下Lab)は、日建設計の木質・木造の開発研究を行うチームで、中規模・大規模の木造プロジェクトを進める傍ら、極小木造の可能性を探る「つな木」の研究開発を進めています。これは、広く木材利用の普及・促進を図ることで森林資源保護と地方創生を両立させると同時に、コロナ禍におけるライフスタイルの変化や医療現場への対応、またパブリックスペースの利活用など、現代社会が抱える

自律走行ロボットによる室内環境モニタリング

山村 真司、鶴見 隆太 日建設計総合研究所  栄 千治 日建設計 設備設計グループ エネルギー・情報計画部 室内空気環境(IAQ)はワーカーの健康・パフォーマンスに影響 With COVID-19環境下において、いままで以上に室内の空気が人の健康に与える影響に関心が高まっています。テレビなどのメディアではスーパーコンピューター使った飛沫のCFDシミュレーションや、トレーサーガスを用いた換気の可視化実験の様子などが連日報道されています。 室内の空気の環境はIAQ(Indoo

つな木 Challenge1  ― 木×人+人×人。「つな木」のトランスフォーメーションが生む木育 ―

大和田 卓 日建設計 設計部門 Nikken Wood Lab プロジェクトデザイナー 徳島での つな木PJ 第二段! 多様なトランスフォームを可能とする つな木 の導入 私たちNikken Wood Lab(以下Lab)は、日建設計の木質・木造の開発研究を行うチームで、中大規模の木造プロジェクトを進める傍ら、極小木造の可能性を探る「つな木」の研究開発を進めています。これは木材利用促進を面的に広げると同時に、コロナ禍におけるライフスタイルの変化や医療現場への対応、またパブリ