日経CNBCが視聴者様を対象に毎月アンケート調査している「投資家サーベイ」。定点観測の株式や為替相場に対する相場観に加え、毎月トピック質問をもうけ、それに関する様々なご意見をいただいています。10月27日~31日の調査では「為替相場での大幅な円安は、日本経済にはプラスでしょうか?それともマイナスでしょうか?」とお聞きしました。
一時1ドル=150円突破、24年ぶり円買い介入も
何しろ今年は年初時点で1ドル=115円前後だった為替相場で円安が急激進行。10月には一時1ドル=150円を突破するなど、滅多にないほどの変動に見舞われています。政府・日銀は9月にはおよそ24年ぶりの円買い介入に動くなど、極めて神経質な展開。今年はコロナ禍が一服したことで、久し振りに海外旅行、海外出張に出掛け、円安の辛さ(1万円でこれしか買えないのか!)を感じた方も多かったのではないでしょうか?もちろん、輸出産業を中心に多くの企業の業績ではプラスのメリットが顕在化しています。波乱が続く米国株式相場に比べて、相対的に日本株が底堅いひとつの背景は円安だとみてよいと思います。
では、総じて言って「円安は日本経済にはプラスなのか?」それとも「マイナスなのか?」――。まあ、ちょっと無茶な質問ではあることは承知。その理由も含めてお答えいただいたことで、いろいろと考えさせられるところが多かったです。
結果は日経CNBCのホームページにも掲載していますが、結論だけ先取りすると……。
いかがでしょう?設問を考えた時点では、ある程度拮抗するのではないか?とは想像していたのですが、マイナスの方がわずかながら多いというのはやはり驚きでした。プラスと答えた方は、ある意味オーソドックスに「企業業績にプラス」「インバウンドを呼び込む」「製造業補国内回帰が見込める」といったお答えが多かったです。一方マイナスとの答えの理由は「食料品そのほかの値上がりがきつい」「輸出大企業はともかく、中小企業にはコストアップ要因ばかり」「変動が大きすぎる」などが多かった印象です。「円安→製造業の国内回帰は幻想では?」といった回答も考えさせられるところが大きかったですね。
ちなみに、ちょうどアンケートを実施していた期間のまっただなか、10月28日(金)に、黒田東彦日銀総裁の金融政策決定会合後の会見があり、その中で一人の記者が「今の為替は日本経済にと って、全体としてはプラスなのかマイナスなのか、どう評価されているか教えて頂 けますでしょうか?」と質問しました。黒田総裁の回答は以下の通りです。
さあ、改めてみなさんならどのように考えるでしょうか?以下に、たくさんお寄せいただいた回答の一部をご紹介させていただきます。今回もたくさんの方に投資家サーベイに参加いただきましてありがとうございました!