見出し画像

自分の中のDNA探偵

自分のルーツがどこにあるか、みなさんも1度は考えたことがあるのではないでしょうか。私も小学生の頃、学校の授業で考えたことがあります。ただ、そのときは祖父まで遡り、さらにその先は力尽きて、探し出すことはできませんでした。きょう紹介するディスラプションは、自分のルーツをDNA情報を使って遡ろうとする検査キットが米国で人気という記事です。DNA情報はルーツ探索にとどまらず、犯罪捜査では欠かせないツールとなっているようです。

米国では迷宮入りに見えた犯罪事件で、犯人が40年以上たってから逮捕起訴されたケースも出てきました。トランプ政権が昨年、不法入国者のDNAサンプルを連邦捜査局(FBI)の犯罪者データベースで共有する方針を示すニュースも報道されました。人権問題が絡むだけに、DNA情報の活用に反発もあり、連続殺人などの重要事件の捜査とプライバシーの保護のどちらを優先すべきなのか、課題も浮上しています。とはいっても、未解決事件の犠牲者を救うためにも社会的な注目は高まっています。

一方、日本でも警察が事件現場の遺留物と重要参考人のDNAの型を調べる鑑定は年間30万件近く行われ、犯罪捜査に欠かせない「武器」として定着しています。DNA型鑑定は、いまや防犯カメラ、携帯電話の通信記録と並び、犯罪捜査の「3種の神器」とも呼ばれているそうです。

DNA情報を使い自分のルーツだけでなく、性格や病気のなりやすさなど何でもわかるようになったら・・・。自分のすべての情報がDNAに入っていることを考えると、使い方を間違えると自分自身が不利益を被ることもありそうです。様々な場面で活用され始めたDNA情報。あなたは、自分のDNA探偵にどんな仕事を依頼しますか。自分のルーツ探しか、自分の寿命判定か、結婚相手探しか。

「Disruption 断絶の先に」連載一覧はこちら☟

先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊すディスラプション(創造的破壊)。従来の延長線上ではなく、不連続な変化が起きつつある現場を取材し、経済や社会、暮らしに及ぼす影響を探ります。

(デジタル編成ユニット 島田貴司)