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サカナクション山口さんが日経のオンラインライブに出るまで

こんにちは、NIKKEIスタッフです。今回の記事は、サカナクションの山口一郎さんのインタビューを配信した日経電子版のオンラインライブ(2023年4月配信)の舞台裏について紹介させてください。アーカイブ配信とあわせてお読みいただけるとうれしいです。

(△1つ目のリンクはアーカイブ配信。2つ目はインタビュー内容をテキストでまとめた記事です)

■企画のスタートは1年前

「今の時代に求められる音楽や作品とはどういうものなのか、これからの表現、発信、ビジネスのかたちについて山口一郎さんのインタビューをお願いします」

企画のスタートは、インタビュー本番の1年ほど前。新型コロナウイルスの感染拡大から2年ほどが経過した2022年3月のことでした。

コロナを経て音楽シーンや音楽ビジネスがどう変わるかを、新しいことに挑戦しているアーティストに聞くという企画でした。また同時に進んでいた様々な技術と音楽シーンの融合についても取り上げたいと考えていました。

「ライブのあり方やデジタル技術について語ってもらうと面白い人は誰だろう」。記者とデスクが候補を出し合ったとき、最初に思い浮かんだ語り手がサカナクションの山口さんでした。

提案した企画に対して、山口さんサイドにはこちらが考えている以上に前向きに検討していただけました。

ちょうどサカナクションのアルバム「アダプト」が発売を控えていた時期。通常のプロモーションとは別に、音楽ビジネスやテクノロジーに注目するメディアでちょっと違ったメッセージを出せるのでは……と考えていただけたそうです。

その後、体調不良のため山口さんは22年7月から一時休養。復帰された後、23年に入って改めて企画について提案したところ、話はとんとん拍子に進み、4月にインタビューを配信する方針で動き出しました。

この半年ほどの間、音楽・エンタメ業界に関わるトレンドがさらに大きく動き始めていることを、企画に携わる記者たちは感じていました。

■トレンドの変化を盛り込んで

1つは生成AIの台頭です。「ChatGPT」をはじめ、文章やイラストを自動で作り出すAIが瞬く間に広がり、多くの人が利用できるようになってきました。高い能力を持つAIはアーティストやクリエイターの仕事とどんなかたちで関わっていくのかに、記者たちはにわかに興味が湧いてきました。

もう一つは時間効率を重視するタイムパフォーマンス(タイパ)志向の広がりです。TikTokなどSNSのショート動画によって、ヒット作品の傾向も変わりました。タイパ志向はさらに加速するのか、作品作りはどうなっていくのか……。サブスクリプションサービスの浸透などと合わせて聞いてみたいポイントでした。

当初の企画案だけでなく、こうしたトレンドのさらなる変化を盛り込んで、本番のインタビューの骨格は決まっていったのでした。

■当日のインタビューは台本なしで

配信が今年4月に決まってからは、山口さんに語ってほしい内容を精査し、具体的な質問案などを練り上げていきました。インタビュアーを務めた坂本佳乃子記者が特に気になっていた、音楽業界の「売れる」の定義が変わってきたというテーマも加えました。

当日の様子の詳細は動画のアーカイブ配信やインタビュー記事に譲りたいと思いますが、最近の活動に始まり、コロナ禍でのオンラインの取り組み、テクノロジーや新しい消費の中で音楽はどう変わっていくのか……山口さんには様々な切り口で語っていただきました。

実は当日は、大まかな質問の流れは事前に決めていたものの、細かいやり取りを記した台本などはなかったとか。それでも幅広いテーマについてテンポ良いやり取りが進んでいきました。「1つ質問すると的確な答えがたくさん返ってきてインタビューしやすかったです」(坂本記者)

ちなみに坂本記者は元々サカナクションのファン。好きな曲に『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』を挙げていたのですが、インタビュー後は「(サカナクションの)曲を聴くときの思い入れが深くなった」そうです。

■アーカイブを是非ご覧ください!

今回は山口さんサイドのご厚意もあり、動画内でサカナクションの映像や楽曲を使用し、アーカイブも配信させていただいています。まだご覧いただいていない方は是非ご視聴ください(日経電子版を無料体験中の方もご覧いただけます)

日経電子版の「NIKKEI LIVE」は、日経の専門記者がニュースや旬なトピックを解説するコンテンツなども公開しています。山口さん以外にも、各業界で注目されている方をお招きする企画を随時検討しています。是非のぞいてみてください!