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Vol.21 金融サービス仲介に対する消費者意識

                             2020年11月

2020年6月の法改正で「金融サービス仲介業」が創設されました。
銀行、証券、保険といった業態の異なる商品やサービスをワンストップで提供することができ、コロナ禍もあいまってFinTechの動きが加速すると言われています。

この「仲介」は、あくまで顧客と金融機関の媒介のみではありますが、こうなってくると、既存の金融機関以外の会社が、自前の業務・サービスに関連する金融サービスを展開することも増えてきそうです。
こうした動きに対して、はたして消費者はどのように感じているのでしょうか。

弊社自主調査(回答者1,080人、弊社モニター、調査時期:2020/9/29~10/1)にて、金融機関以外にも金融商品の販売や資産形成の相談ができるようになったら利用したいと思うか、利用意向をうかがいました。

・利用してみたい 16.3%
・利用したいと思わない 50.5%
・わからない 33.2%

上記のとおり、消極的な回答が半数を占めています。
その理由を自由回答でうかがったところ、興味がない、必要ないという意見のほかに
・専門外の企業が提供するサービスはセキュリティ面が不安。(男性30代)
・専門知識があるのか不安。(女性50代)
・プロじゃないと不安。(女性30代)
・素人が窓口業務だけしているようなところでは不安でしかない。(男性40代)
といった安全面や、担当者のレベルに対する「不安」の声が多くあがっていました。

一方で、男性20~40代は「利用してみたい」が2~3割と、比較的好意的な反応がみられました。
その理由は「便利そうだから」「気軽に利用できそう」といった利便性に対する声が多いほか、
・消費者にとっては市場にプレイヤーが増えるのは悪いことではない。(男性40代)
・資産形成の際に魅力的な提案を受ける先が増える。(男性20代)
・新規参入によりお得なサービスが増える。(男性20代)
といったメリットを感じている人もいました。
新規参入する企業は利用者側の不安の払しょくが喫緊の課題といえますが、金融機関側はこのような競争下、 金融の「専門性」を発揮し、 改めて顧客本位の視点から「安心・安全」「利便性」をふまえたサービス提供がキーワードになってくるといえそうです。

■今週の執筆者■
森岡 園深(ソリューション1部)

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp

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