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Vol.55 メール(SMS)依頼調査の回収率を上げるためには? 

                             2022年5月

金融ソリューションコラムVol.55をお届けいたします。

コラムメールをお送りしているみなさまは現在調査に関与していたり、以前調査のご経験がある方々が多いかと思います。

みなさまはアンケート依頼の際、どんな点に注意を払っていますでしょうか。
日経リサーチで受託している金融機関各社さまのお客さま調査は、以前は郵送調査が主でした。現在はデジタル化の動きもあり、メール配信やSMS調査のご依頼が増えてきております。郵送調査も形を変え、封書の調査だけではなく、はがき発送⇒QR(※)(WEB)回答も多くなってきております。

そんな中、皆様からよくご相談を受けるのが、デジタルでの調査は回収率がなかなか上がらない。どうしたら回収率が増えるか?という点です。

メール配信ですと、普段なかなか使わないアドレスで開封自体してもらえなかったり、定期的なクリーニングが行われないので、不達になるケースも多いです。そもそも、メールアドレスの取得ができない会社様も多いのではないでしょうか。

そのため、1月にインターネットモニターに対し、以下の内容でミニ調査を実施しました。

Q:一般企業からアンケートの協力依頼があった際、どのような方法だと回答してもいいと思うか。
Q:回答してもいいと思う手法別の所要時間
Q: アンケートが届いた際に、どのような点を確認しているか?
Q:回答意欲がわく特典は?
Q:どんな表記があると安心して回答できるか

この中から、「アンケートが届いた際に、どのような点を確認しているか?」「回答してもいいと思う手法別の所要時間は?」に絞って結果をご紹介いたします。

Q:「アンケートが届いた際に、どのような点を確認しているか?」

回答者の約7割(60代以上は8割)が「タイトル(アンケートの内容)」を確認しているとあげています。
その他、6割以上が「謝礼内容」(※70代以上のみ5割超)、5割以上が「回答にかかる時間」も回答する上で確認するポイントになっています。

特徴的なのは「アンケートの目的」です。
アンケートの目的は年代別で大きく傾向が異なり、20代では4割の回答に対し、70代以上では7割以上と年代が上がるほど目的を重視していることが分かりました。

Q:「回答してもいいと思う手法別の所要時間」に関しては、
『メール』での依頼は「4~5分程度」が3割、「2~3分程度」が2割で大半が5分以内であれば回答してもよいと考えているようです。一方『SMS』『プッシュ通知』になると、「1分程度」が3~4割、「2~3分程度」が3割弱となっています。

なお、『郵送(封書)』は「4~5分程度」が25%、「6~10分程度」は24%で10分以内であれば許容されます。
10分を超えたとしても、「10~15分以内」12%、「15分以上」でも15%が回答してもいいという結果でした。

どうしても色々と聞きたいこと、確認したいことがありますが、手法によっては確認したい点を絞り適切な調査ボリュームで実施する必要があります。
また、デジタルでの調査では、開封してもらうことが一つのハードルとなりますので、開封してもらうために「タイトル(件名)」は興味を持ってもらえるような内容にすることが重要です。
そのうえで、依頼文に「調査目的」をしっかり明記し、回答にかかる時間や謝礼内容を分かりやすく書くことでアンケートサイトにアクセスしてもらう工夫が必要になります。

※QRコード®は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

■今週の執筆者■
大西 直美(アカウント第1部)

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
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