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16歳の頃の自分、そして今その時を生きるみんなに伝えたいこと 17

 

13、ひとり旅をする

旅をするのは、いまだ!早ければ早いほどよい。土日を使って1泊2日でだって、良い。とにかく、この17の項目のうち、1番今すぐ実践して欲しいしそれが可能なことだと思う。旅をして得られることは、いや得て欲しいことは4つある。そして、4つ全て紹介した後に、自分の体験談を物語形式で載っけたので、ぜひ一読して貰って、4つの条項を確かめてもらうと共に、旅への意欲を高めて欲しい。

  1つ目は、新たな出会いだ。もちろん、人との出会いもある。しかし、それ以外にも出会いはある。初めて見るの景色、文化、動物。普段自分が住んでるエリアでしか生活しない人は、一気に世界が広がったように見え、自分の住んでる世界が全てじゃないことに気がつくだろう。それに触れ合い、受容したり、また自分が育ってきた文化を伝えるこの刺激的な経験は大切だ。この経験は、このあとの人生に生きていくのは間違いない。中学校まで公立の場合は、自分の住んでる狭いエリアの人との関わりがほぼ全てだろう。環境は近いし、境遇も似たもの同士であることも多い。高校も、その延長線上のケースが大半だ。ただ、その先進学や社会進出をしたら全然状況が違う。他県出身の人と接するのは当たり前。海外生活が長い人、留学経験のある人や、国籍が違う人だっている。社会に出れば、年齢さえも違う。子供の時遊んだもの、その時の情勢も違う。だから、狭い世界に留まっていてはいけない。どんどん自分の視野を広げて、柔軟性を身につけるために、旅はすると良い。

 2つ目は、チャレンジする機会が沢山訪れることだ。旅自体がそもそも、チャレンジであるが、旅をしていると本当にチャレンジするか否かの選択を迫られることが多い。そして、行動しなきゃいけない時も多い。その環境下に少しでも身を置くことで、自分は厳しい環境でもポジティブな選択を出来たんだ、チャレンジ出来たんだという自信がつ木、日常生活を送る上でも生きてくると思う。

 3つ目は、計画通りにいかず、臨機応変な対応を迫られることがあり、それを経験できるということだ。まず、普段生活していく中でだって、計画通りにいかないことはたくさんあると思う。ただ、家族と暮らしていれば、親や兄弟が助けてくれることも多いだろうし、学校生活の中においては友達が助けてくれることが多いだろう。ただ、ひとり旅においては、ほとんどの時間を周りには誰も知り合いがおらず自分1人で過ごすだろう。そんな中で、変質者と出会ったり、危険な動物に出くわしてしまったり、財布を落としたり、悪天候に見舞われて交通機関が止まってしまったり、体調を崩してしまったり、怪我をしたり、様々なことが起こり得る。そんな時、まず頼りになるのは自分だ。自分がどう判断するのかに全てが委ねられている。こういった、予期せぬアクシデントに臨機応変に対応するケースがあり、これはこの後実社会で生きていく上で、どの仕事にも通ずる、とても必要なスキルだと思う、それを、高校生のうちに経験できる手段として、旅はありだと思う。そして、そのアクシデントが起きた時にアドレナリンが湧き出てくるあの感覚を知って欲しい。

 
 4つ目は、自分の今の生活がどれだけ幸せかありがたみを感じられることだ。僕はこれを痛感したし、一番伝えたいことだ。実家の場合、家にいれば飯が出てくるし、風呂もあるし、寝床も完備されていて、電気水道も通っているし、言葉も通ずるし、なんなら自分の部屋を持っている人も多いだろうし、終いにはゲームやPC、スマホだって買ってもらえている人だっている。一人暮らしをしていたって、家の中は暖房があって寒さは凌げるし、動物に襲われることもない。何せ、君の周りには君を助けてくれる人がたくさんいる。しかし、未知のところに1人で旅をしているとどうだろうか。とにかく、不便極まりない。君は、旅をすることで日々の生活の有り難みがわかるだろう。親に感謝しろと周りの大人がいう意味が少しでもわかるかもしれない。

 ここで、お金があればそんなん解決できるだろう、という人がいるかもしれない。ただ、お金で解決するのは簡単だ。雨降ったから、タクシーを使う。毎晩ホテルに泊まる。ご飯は簡単に済ませられる外食で済ます。でも、それは10代で経験すべき旅ではない。迷ったら、難しい方を選べと岡本太郎も言ったことだが、ある程度難しいことを選択していくことで、君の人生の肥やしになるだろうし、自分自身でどこまで生活が苦しくなっても問題なくて、どこまでいったら大変なのか見極められると思う。そういった見極めから起業など大きなチャレンジと、節約というものが生まれるのではないかと思うし、何より君が40歳になった頃、何者にも慣れていなくとも、後輩が何か貫禄や深みを感じる人になっていると思う。よくいるバイト先の、上司とも呼べないアホ責任者とは違ってね。

 そして、最後に、僕の旅をしている、ある一日を紹介しよう。この日は北海道屈斜路湖周辺に泊まり、朝8時に起き、ホテルの方に駅まで送って貰って、朝8時半の列車で釧路方面に向かった。途中駅で、タンチョウが現れ、写真撮影。周りの乗客に配慮しながら、自分も上手く取れる場所を確保しながら、撮った。それから、そこで出会った乗客と旅のことやこの路線、釧路湿原のことなど話しつつ、東釧路駅に到着。なるべく多くの駅に降りつつ目的地まで行きたいので、予定外だがここで降りた。そして、少し散策したあと根室方面の列車に乗り、厚岸で降りた。大晦日ということもあって、名物の牡蠣を出している店がどこも空いていなくて、仕方なくセイコーマートでカップ麺を買い駐車場で食べてたこと、同じことをしている旅人の方と会い、数十分立ち話をした。聞けば東京から自転車と一緒に飛行機できて、自転車で釧路から霧多布岬まで行き、初日の出を見るという方だった。それから、汽車に乗り、落石という所で降りた。ドラマ「北の国から」でも登場してくるこの場所。少し歩くと夕陽の沈む落石湾の景色と、鹿の大群を目にした。鹿の群れはとても速く、写真を撮ったがあまり伝わらないものになってしまった笑。そして、それからコンビニのある厚床という所まで行った。1時間ほど休憩し、列車の時刻に合わせて駅に向かったが、時間通りに来なかった。気温は-10℃、周りに人がいない。アナウンスも流れない。これはピンチ。ターミナル駅の支社に問い合わせてみたものの、繋がらず、途方に暮れていた。流石に為す術がなかったが、もし汽車が来ない通達が来なかったら大問題だと思ったので、待ってみることにした。10分ほど経って、誰もいない構内にアナウンスが流れた。どうやら40分ほど遅れるみたいだ。とりあえず、ほっとした。無事、汽車はやってきて、根室まで向かった。そして、根室についた僕は、とりあえず駅が閉まるまでの間、駅構内で過ごした。次の日の初日の出をみようと集まった観光客でごった返していたが、皆ホテルや旅館を取っていたらしく、お迎えの車に乗って消えていった。僕は、最初から宿に泊まる気などなかった。なぜか。それは、この日は需要が見込まれるため、非常に高く値段が設定されていたからだ。昭和風のホテルでさえ、1泊1.3万円なのだから。という訳で、22時をすぎ、駅員さんに構内から出ていくよう言われてしまったため、−7度のなか、夜道を歩いた。まずはセブンイレブンに入り立ち読みを1時間くらいして、次にセイコーマートに移動して100円のカップ麺を購入して外で座って食べた。そこに置いてある雑誌が面白くなかったため、さっきとは別のセブンイレブンに入店し、2時間ほど立ち読みをして、お菓子を買った。その後、深夜2時をまわった頃、流石に座りたくなったため、すき家まで15分歩いて牛丼を食べながら、2時間ほど寝落ちしてしまい、気づくと初日の出のバスが出る時刻になっていた。一晩、寒さを凌ぎながら、過ごせたというわけだ。

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