見出し画像

推しという希望

正直、アイドルやアーティストを推すみたいな行為にハマる方ではなかったし、他人に興味がなく気にはならない性分だった

ジャニーズやK-POPのグループを推してる友人がいて、なんとなく推し活の話を聞く程度だった

2019年4月にSHINeeのTAEMINがしゃべくりに出演しているのを観て、彼の可愛いらしい顔立ちと筋肉とのギャップの美しさに衝撃を受けて、友人から色々教えてもらった

それから見事にTAEMINにハマったわけだけれど、これはTAEMINの話ではない

日本の男性アイドルグループと韓国のアイドルグループの違いについて語るべき知識もない新参者だけど、TAEMINに触れてというか殆どの韓国グループの彼らはめちゃくちゃ愛に溢れて、感謝の気持ちをわかりやすく表現してくれる

彼らの口から何度も”愛してる”と言う台詞を聞いたし、移動中にも寝る前にもファンを想ってライブ配信やSNSの投稿をする

お国柄や文化の違いは大きいとは思うが韓国人男性は日本人男性よりも遥かに言葉や態度で愛を表現する印象が強い

ファンにはグループ名がついていてグループ名を呼称することで一人称のような錯覚を生み出しており、彼らはグループ名に対し”元気?何してるの?”と語りかける距離感を持っている

とてつもなく近い距離にいることを錯覚させるような戦略がとられていてその分絆が深くなる

日本のプライベートを隠す風潮とは真逆のアプローチに根負けしてしまった

そして、簡単にナムドル(韓国語で男性アイドルグループの略称)にハマっていくのである

去年11月に今自分が全力で推しているグループのenhypenがデビューした

彼らはi-landと言うサバイバルオーディションで選ばれた7人組である

画像1

写真をみてもらえばわかるが少年である

先ほど文中に出したTAEMINより遥かに歳下で、最年少のNI-KIは16歳(韓国数え歳)である

話は逸れるが自分はノンバイナリーを自認していて、男性アイドルに対し恋愛感情というものを抱かない(一般的なひとは好意を抱くというがそれが恋愛感情と区別されるものであるかはわからない)

どちらかというと自分の男性性が刺激され、彼らのようになりたいという憧れを抱く感覚に近い

それと同時に歳上が歳下をみるような母性(?)で彼らをみてしまっている

16歳〜20歳の彼らのグループがデビューするまでを追っていて半ば親心的な感覚で彼らのファンになった

もう自分は人生の折り返しが来そうないい大人であり、一般的に子供を持っていてもおかしくない年齢ではある

だから、彼らが番組を通じて見せてくれた努力の過程、仲間との友情や支え合いなど、遥か昔に感じたであろう青春的な青臭くもあの感情を思い出すことになった

そして、彼らがいかに両親に愛されて育っていて彼らも家族を愛し、メンバーとの絆を深めていったかを知った

とてもピュアな感情で気持ちを表す彼らに心を奪われた

きっとその大きな愛をファンに与え、ファンからも受け取りもっと成長していくのだろうなと

機能不全の家庭に育ち、色々拗らせた人生を歩んでいた自分にはそれが輝かしくみえたからこそ彼らがどんな風に成長していくのか過程がみたいのだと

そしてもう一つ推しを作る行為は現実世界と切り離しがきくと自分は思う

“推しさえいれば嫌なことがあってもやっていける”そう言われた意味が今は理解できる気がしている

自分の推しはまだ少年で今後10年推しても20代である、そして20年推してもまだ自分の今の年齢と同じくらいである

あと20年後、自分はどうなっているだろうか

そして彼らは自分よりも遥かに若いので、彼らの活動が続く限り、自分が死ぬまで推せる可能性すら秘めているのである

それに気づいた時に、デビューのこのタイミングでenhypenと出会えてよかったと思う

未来への希望なんぞとっくに枯れてしまっている自分の希望となって密かにこれからも自分を支えてくれる存在になっていくのだろう

人間性やダンスの技術力など成長の伸び代があるのは今の自分にとってはとても羨ましいことだ

あと20年後、どうなっているかとても楽しみだ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?